待望のプロユースiMacがリリース
「iMac Pro」はiMacシリーズのフラグシップに位置付けられるモデルで、名前の通りインテルXeon W(3.2GHz)、32GBメモリー(2666MHz DDR4、8GB×4構成)、Radeon Pro Vega 56(8GB)、1TBフラッシュストレージ、27型ディスプレー(5120×2880ドット)というパワフルなスペックが魅力。
上記の最小構成でも税抜55万8800円と、価格もパワフルだが、搭載しているハードウェアを考慮すると、手頃とは言えないまでも、妥当と言える価格に落ち着いているのではないだろうか。
デザインは現行のiMacを踏襲しているが、本体が蒸着塗装のブラック、マウスやキーボード、キーボードと本体を接続するLightningまでブラックで仕上げられており、一見して通常のiMacとは異なることがわかる。
今回は、アップルが提供するDTM(デスクトップ・ミュージック)ソフト「Logic Pro X」を使用し、最もマシンに負荷がかかる作業のひとつであると思われる楽曲制作をテストしてみる。
Logic Pro Xとは?
Logic Pro Xについてよく知らない方も多いと思われるので、かんたんに概要と使い方をおさらいしよう。
Logic Pro Xは2013年にアップルからリリースされたDTMソフトであり、Macユーザーを中心に、アマチュア、プロフェッショナルを問わず利用者がいることで知られている(Logicシリーズについて詳しく書くと、2013年よりも前の歴史に触れなければいけないが、本稿とは関係ないので割愛する)。
価格は2万3800円で、楽曲制作に必要なレコーディング、MIDI入力、ミキシング(レコーディングされた音声ファイルを編集し、楽曲の状態にすること)に加えて、簡易的なマスタリング(商業製品として聴けるように音声ファイルを整えるなどの作業)など、楽曲制作にかかわるあらゆることができる。
標準でも必要十分な機能を備えるが、サードパーティー製のソフトプラグイン(オーディオファイルやMIDIデータの編集に使うソフトウェア。元来はアナログのマシンだったが、現在はそれらをエミュレートしたソフトウェアが広く使われている)を追加し、より高度で本格的な作業も可能。
クリエイター、パフォーマーを問わず、音にかかわるさまざまなユーザーの使用に耐えうる仕様のソフトだ。
プロ向けのソフトだけあり、PCにかかる負荷は非常に高い。
Logic Pro Xでは、マルチトラックレコーディングという体系で楽曲を形づくっていくことができる。複数のオーディオファイルやMIDIファイルを別のトラックとして読み込み、編集した上で、同時に鳴らすという、現代の音楽制作ではスタンダードな手法だ。しかし、トラックが増えれば増えるほど、高い処理性能が要求される。
また、前述のプラグインは、音楽の再生時、リアルタイムに波形をレンダリングして再生するため、使えば使うほど、より大きな処理性能が必要になる。
このため、動かすこと自体はインストール要件を満たせば可能なのだが、快適に利用するためには、最低でもCore i5、8GBメモリー、できればCore i7、16GBメモリー以上の余裕は欲しいソフトである(ビートルズのように複数のトラックをひとつにまとめて、工夫してしのぐということもできるのだが、あまり現実的ではない……)。
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