週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

賞金総額3000万ドルはお蔵入り

38万4000kmは遠かった―― 月面開発大会は「勝者なし」

2018年01月25日 13時00分更新

 民間企業による宇宙開発として注目されていた月面レース「Google Lunar XPRIZE」が「勝者なし」として幕を閉じる見込みだ。主催者団体X PRIZE FoundationのPeter H. Diamandis CEOは1月23日、大会の決定をホームページ上で発表した。

 Google Lunar XPRIZEは2018年3月31日までに月面へ小型探査機を送り込み、「Mooncast(ムーンキャスト)」として画像・映像を送信する、という内容の民間宇宙開発競争大会。米グーグルがタイトルスポンサーとなって総額3000万ドルの賞金が用意されていた。

 全世界から18のチームが参加し、2016年末までに5チームがファイナリストとして審査委員会から承認。日本からは「Team HAKUTO」がファイナリストに選出された。Team HAKUTOはKDDIとオフィシャルパートナー契約を締結したほか、2017年12月には大会最高額となる総額9000万ドル以上の資金調達に成功している。

 また、大会では大賞のほかに「ランディング」「モビリティー」「イメージング」の各カテゴリを「マイルストーン賞」として設定。モビリティー賞に認定されたTeam HAKUTOをはじめ、ファイナリストの5チームすべてがいずれかの賞を獲得し、総額600万ドル以上が授与されたという。発表によると、1つのチームは民間宇宙船で月を探求する初めての「ミッション承認」を、米国政府から受けていた。

「過去数ヶ月間にファイナリスト5チームと緊密な協議を重ねた結果、大会期限として設定した2018年3月31日までに月へ到達する見込みはどのチームにもないという結論に至りました。資金的、技術的、そして法的な課題のため、残念ながら賞金総額3000万ドルは支払われません。主催者としても勝者の出現を期待していましたが、文字通りの『ムーンショット』は難しかったようです」(Diamandis氏)

 XPRIZEは新しいタイトルスポンサーを見つけるか、賞金を取り下げた非営利競争としてLunar XPRIZEプロジェクトを継続し、チームをフォロー・プロモートするとしている。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります