モバイルオーディオ向けSoC「QCC5100」、Type-C対応の「WHS9400」ファミリも
完全ワイヤレスの音切れなくす? 期待のクアルコム新チップ
完全ワイヤレスイヤフォンの課題が改善される?
このようにクアルコムのオーディオ向け最新SoCであるQCC5100は「バッテリー」「接続性」「音質」という、これからの完全ワイヤレスイヤフォンのステップアップに必要な3つの要素に飛躍をもたらすことができるのだ。
65%も電力消費が低くなるということは、従来のバッテリー容量・本体サイズをキープしたままでもイヤフォン単体での連続駆動時間をより長く伸ばすことができるだろう。あるいはイヤフォンのサイズを小型化したり、デザインの自由度が高まることにもつながる。
接続性については信号のドロップ(欠落)やノイズが完全ワイヤレスイヤフォンのペインポイント(痛手)とされているので、これが払拭されることは何よりの福音だ。ハーヴェル氏によれば信号伝送の低遅延性能も高くなるという。気持ち良くリップシンクする動画視聴が楽しめるようになれば、完全ワイヤレスイヤフォンが活躍する場面が広がる。
そしてaptX HD対応の高音質な完全ワイヤレスイヤフォンが増えてくれば喜ばしいことこの上ない。2018年前半の完全ワイヤレスイヤフォンの動向には要注目だ。
Type-C接続のイヤフォン・ヘッドフォン増加の可能性も
クアルコムのブースにはもうひとつ、USB Type-Cのデジタル接続に対応するヘッドフォン・イヤフォン向けのSoCチップ「WHS9420/9415/9410」を使ったヘッドフォンのリファレンスデザインが紹介されていた。
最近はMacBookシリーズなどPCだけでなく、サムスンのGalaxyシリーズやソニーのXperiaシリーズなど、USB Type-C端子を乗せてUSBオーディオ出力にも対応するスマートフォンが増えている。
USB Type-Cから外部DAC機器に接続してハイレゾオーディオ再生が楽しめるイヤフォン・ヘッドフォンがあれば、外出先での音楽リスニングが便利で手軽になりそうだ。USB Type-Cのオーディオ機器向けSoCは他の半導体メーカーにもプロダクトはあるが、ハーヴェル氏は「クアルコムのSoCは音質を意識した高いパフォーマンスを実現している点が他社にない強み」であると胸を張る。最上位のWHS9420は最大192kHz/24bitのリニアPCM信号のデコードに対応するDACを搭載している。
Lightning直結型のデジタルヘッドフォンはもういくつかのブランドから発売されているが、今年はUSB Type-C接続のヘッドフォン・イヤフォンも続々と増えて、見逃せないサブカテゴリーにまで成長する期待が膨らんできた。
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