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モバイルオーディオ向けSoC「QCC5100」、Type-C対応の「WHS9400」ファミリも

完全ワイヤレスの音切れなくす? 期待のクアルコム新チップ

2018年01月15日 09時00分更新

 CESに出展したクアルコムが、完全ワイヤレスイヤフォンによる音楽体験を向上させるオーディオ製品向けSoC「QCC5100」を発表した。このチップを搭載した完全ワイヤレスイヤフォンはどこに“差が付く”のか。クアルコムでオーディオ向け製品のプロダクトマーケティングを担当するシニア・ディレクター クリス・ハーヴェル氏に尋ねた。

米クアルコムのクリス・ハーヴェル氏にオーディオ向けSoCの特徴訊ねた

 QCC5100は、現行モデル「CSR8670」の後継製品に位置付けられる。

 AD/DAコンバーター、DSP、CPU(クアッドコア)、Bluetoothの送受信用モジュール、バッテリーマネージメント回路を統合したSoCチップだ。大きな特徴は駆動時の消費電力を現行モデル比で65%も下げたこと。ハーヴェル氏は「SoC全体のアーキテクチャの見直し、必要なものについては主要コンポーネントを入れ替え、バッテリーマネージメントの仕組みにメスを入れた」と、画期的な低消費電力化を実現できた理由を説明した。

 最新のSoC、QCC5100ではスマホやプレーヤーなどソース機器とイヤフォン間の接続性能がある一定条件の下で大きく向上する。

左右それぞれが1体1でプレーヤーとつながる

 現在はどの完全ワイヤレスイヤフォンも左右どちらかのイヤフォンがマスターとなってソース機器とBluetoothでつながり、その後にマスター側からスレーブ側のイヤフォンにBluetooth、またはNFMI(近距離磁気誘導)で音楽信号を伝送する仕組みを採っている。

完全ワイヤレスでバイオメトリック認証に対応したヘッドセットの参考デザイン

 一方、QCC5100を搭載する完全ワイヤレスイヤフォンであれば、昨年末に正式発表された最新世代のモバイル向けSoC「Snapdragon 845シリーズ」を搭載するソース機器につないで、左右のイヤフォンに対してそれぞれ1対1でBluetooth接続ができる。

 結果としてより安定した信号伝送が可能になるという。Snapdragon 845を搭載したスマホやプレーヤーは今のところ発表されていないが、SoCの正式発表が完了したので、2月にバルセロナで開催される「MWC 2018」で端末の発表があるかもしれない。クアルコムはQCC5100を搭載する製品について「2018年前半に発売される見込み」としている。

 もうひとつの特徴は、QCC5100とSnapdragon 845のパワフルなプロセッサーの実力を活かすことで、aptX HDのコーデックによる48kHz/24bitのワイヤレスオーディオ再生が可能になる点だ。

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