ではGTX 1070 Ti AMP Extremeの見どころを解説しよう。本製品最大の武器は2.5スロット厚の巨大な“Ice Storm”クーラーがもたらす抜群の冷却性能だが、今回はクーラーの構造にも注目してみたい。一般的なビデオカードのクーラーの場合、チップ類が実装されている基板の表と裏から鉄板で挟み込み、さらにクーラーを基板に固定するという構造をとっている。
設計がしっかりしていればこれで十分といえるが、ZOTACはこれをさらに発展させ、バックプレートが基板の上部にまで回り込む“Exo Armor”と呼ばれる設計にしている。ただの板よりもL字の板の方が歪みにくいため、基板の信頼性やクーラーの静音性(ファンの歪みが抑制される)向上に貢献するのだ。
そして裏面にはOC時の電力供給を安定させるZOTAC独自の「Power Boost」を備える。前述の通りGTX 1070 TiはファクトリーOCが禁じられているGPUではあるが、ユーザーがOCするのは自由。どれだけOCで伸ばせるかはチップ自体の耐性のほかに、電力共有やクーラーの性能も重要になる。そのため、GTX 1070 Ti AMP Extremeは、OC用途を試す価値あるビデオカードと言える。
GTX 1070 TiはOCなしの状態で出荷されているが、同梱のOCツール「FireStorm」を利用すれば、自己責任の下OCすることが可能だ。GeForce系のOCの場合、GPUの消費電力をトリガーにするリミッター(Power Limit)を上げるのがとにかく重要だが、一般的なGTX 1070 Tiカードは+20、即ち120%が上限になっている。だが、このGTX 1070 Ti AMP Extremeでは最大+40まで引き上げることができる。高クロック設定を攻めたい人には見逃せないポイントといえる。
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