プラリネのアーモンド香はメロウなウィスキーと相性が良い
それではいよいよ、ミルクチョコプラリネから実際に食べてみる。口当たりが柔らかく、安いチョコや下処理が雑なチョコにありがちな、鼻血が出そうになる奥への刺激“イヤな突き上げ感”が少ない。香りもなかなか面白く、半欠けかじっただけでプラリネのアーモンドが豊かに香るのにはかなり興味をそそられた。うん、これは明らかにコンビニのチョコのレベルではない。
味はというと、ミルクチョコだけに甘さは少々強め。でも下品ではなく、ほんのりと出てくるプラリネの塩味がチョコの甘味をグッと引き立てる。この塩味は常に主張するのではなく、時々塩の粒に当たるという感じ。なので味覚にところどころアクセントがあり、良いリズムを奏でる。要するに口の中で変化をもたらしてくれる、これは好印象だ。
それにしてもこのミルクチョコレートプラリネ、とにかくまろやかだ。しかも口の中でフワッととろけてゆく。それがプラリネの香ばしいアーモンドと相まって、無邪気な子どもの笑顔を見ているようなやさしい気分になる。そんなチョコレートと合わせて愉しいウィスキーは、グレンリベットやストラスアイラなど、スペイサイドのメロウなものだろう。ジャパニーズなら山崎や宮城峡などのやさしいものも良さげだ。
試しに僕の酒棚の中から、とびきりメロウな「ニッカ カフェグレーン」をチョイスしてみた。宮城峡の古式ゆかしいカフェ式連続蒸留器で生成されるグレーン主体のウィスキーによって、プラリネのアーモンド香がより強調される感じがする。カフェグレーンのスイートなバニラ香やウッディーな香りとも相性良好。ブーケのスプレー役のようなウィスキーだが、凛とした一面も持っていて幅広いマリアージュを受け入れる、懐の深いボトルだ。一方のミルクチョコレートプラリネは塩味とアーモンドの個性で、筋が1本通っている。この組み合わせ、良い。
一方、チョコレートのイヤな突き上げ感は確かに少ないが、まったくないというわけではない。ミルクのまろやかさもプロパーのゴディバの方がずっとやさしいし、口当たりの良さもふわりとした甘さも本家には及ばない。それでもこの方向性は確かに僕が知っているゴディバだ。コンビニで、この価格で手に入るならば、決して悪くはないと思う。ゴディバ度70%といったところか。おいしくいただきました。
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