低域に厚みがあって高域はクリアーなSHANLING「M3s」
SHANLINGは中国・深センにあるオーディオメーカーで、DAPだけでなくスピーカーやアンプも作っている。私は「M3」の音とデザインが気に入って愛用している。その後継機が「M3s」だが、元祖M3とは似ても似つかぬほど進化を遂げているではないか!
384kHz/32bitのPCMやDSD256に対応、AK4490を2基搭載したバランス構成で、直径2.5mm4ピンのバランス出力に対応する。連続再生時間は約13時間、重量は約135g。3インチRetina HD液晶ディスプレーを採用。さらにUSB DAC機能、そしてBluetooth4.1経由でaptXコーデックの利用も可能だ、内蔵ストレージはなく最大256GBのmicroSDカードに対応する。これでe☆イヤホン価格3万9800円。
バランス接続で聴く音は低域に厚みがあり、透明感のある高域。音が突き刺さるようなことはなく、なめらかでありながらクリアーでヌケがいい。これはかなりご機嫌な音である。一般的に低域に厚みがあると量感重視でダルい感じの音になりがちだが、本機の低域はドライブ感がありこもらない。
デュアルDACの搭載に伴い、ローパスフィルターの「MUSE8920」とアンプ部の「AD8397」もデュアル化された。完全なバランス構成になったのが素晴らしい。試聴にはDITAの「Dream」を使った。このイヤフォンは駆動力に問題がある場合、高域が荒れる傾向があるが、M3sは全く問題ない。AKG「K712 Pro」なども問題なく鳴らせるという。
弱点としては、タッチパネルが非搭載である点。ダイヤルとボタンのみのインターフェースになる点か。あとは曲の冒頭でプチッというノイズが出ることがある。
タッチパネルはないが、スマホにHiBy Linkと呼ばれるアプリをインストールすればBluetooth接続でリモート操作ができる。ソニー「NW-ZX300」を思わせるプロポーションとサイズ、そして左下に貼られたハイレゾステッカーにSHANLINGの意気込みを感じさせる一台である。
最小サイズにBluetoothを搭載したSHANLING「M1」
SHANLINGで最もコンパクトサイズを実現したのが「M1」である。重量約60gで2.35インチのTFT液晶ディスプレーを搭載。DACはAK4452を採用、192kHz/24bitの再生に対応する。内蔵ストレージはなく、音源は最大256GBのmicroSDカードに保存する、
Bluetooth 4.0対応で実売価格は約1万2000円。この価格でも音はまともだ。低価格モデルにありがちなドンシャリで耳に刺さる音ではなく、音色はウォームで低音もそこそこ出るのだ。タッチパネルではないが、インターフェースもサクサク動く。価格から考えると非常にハイコスパだし、スポーツクラブや海外旅行など壊したり、なくしたりする心配がある時にも気軽に持っていける。
本機もスマホにHiBy Linkを入れれば、スマホのタッチパネルで快適操作ができるのだ。小さいのが欲しい人はこれ一択である。
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