F1のテクノロジーがフィードバック!
マクラーレン「570S」
この連載はスペックに秀でていて、お値段も飛び抜けて秀でているクルマを紹介しているが、クルマの楽しさの原点ってなんだろうと考えた場合、「走り」にいきつく。そう、走りの良いクルマを紹介したいのだ。もちろん、今まで紹介したクルマたちは、どれも走りは超一流だった。だが、今回紹介するクルマはF1というモータースポーツの頂点から生まれた自動車メーカー、マクラーレン「570S」だ。走りを究極まで突き詰めたレースで戦うメーカーは、どんな市販車を生み出すのだろうか。
なお、今回はすでに動画が公開されているので、本記事と合わせてご覧いただきたい(→https://youtu.be/Ek-eEM1to2M )。
イギリスの自動車メーカー・マクラーレン・オートモーティブ。その成り立ちを紐解くと、1963年にまで遡る。レーシングドライバーのブルース・マクラーレンが設立したレースチーム「マクラーレン・レーシング」は、F1に参戦しながら技術を蓄え、マクラーレングループとして1990年にマクラーレン・カーズが設立され、公道を走るF1マシンともいえる「マクラーレン F1」が1994年にリリースされた。レース仕様の「マクラーレン F1 GTR」はル・マン24時間レースをはじめ様々なカテゴリーのレースで勝ちまくり、その実力を遺憾なく発揮したのだった。2003年にはメルセデス・ベンツが「SLR マクラーレン」というハイパフォーマンスモデルを発表し、開発・生産はマクラーレン・カーズが担当した。このように、マクラーレンといえば速いクルマというイメージが浸透していった。
2009年からは現在の社名である「マクラーレン・オートモーティブ」へと変更し、2011年には「MP4-12C」というモデルをリリースした。ほかの高級車メーカーと比べてもラインナップは少数精鋭。アルティメットシリーズ、スーパーシリーズ、スポーツシリーズという3本柱で展開をしている。アルティメットシリーズはレーシングカーやそれに匹敵するロードゴーイングカー「P1」をラインナップし、台数限定なので選ばれたお金持ちしか買えない。スーパーシリーズはマクラーレンの主力モデル「720S」、スポーツシリーズはエントリーモデルであり、今回お借りした「570S」がラインナップされている。
派生モデルのスパイダーやGTといったグレードも存在するが、基本的には3ライン、3車種である。昔のアップルか吉野家かといったメニューのシンプルさだ。
さて、今回なぜ「570S」だったのかというと、720Sはまだ発売されたばかりで広報車がない、570GTは以前企画でお借りしたので違うモデルに乗りたい、という至極個人的な理由でベースグレードである570Sになった。とはいえ、570GTはその名のとおりグランドツアラー的な味付けだったが、570Sはサーキットでも走れるロードゴーイングカーだ。走りのスペックは上である。
マクラーレン「570S」の主なスペック | |
---|---|
エンジン | V型8気筒ツインターボ |
排気量 | 3799cc |
最大出力 | 570HP/7400rpm |
最大トルク | 61.2kgm/5000-6500rpm |
トランスミッション | 7速SSG |
最高速度 | 328km/h |
0-100km/h | 3.2秒 |
サイズ | 全長4530×全幅2095×全高1202mm |
車両重量 | 1344kg |
タイヤ(フロント/リア) | 225/35R19/285/35R20 |
価格 | 2556万円(税込) |
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります