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シャープ戴正呉社長が、東証一部復帰に際して語ったこと

2017年12月13日 09時00分更新

社員に返し、消費者に返す

 一方で、東証一部への短期間での復帰は、「なによりも、皆さんのたゆまぬ努力のお陰だと考えている」とし、「12月14日に、国内勤務の社員の皆さんを対象に、私からの『感謝のしるし』をお渡しする。具体的には、報奨金と、『いい暮らしストア』で使用できるクーポン。日頃、皆さんを支えてくれている家族や友人へのプレゼント、懇親会費用などに活用してほしい」と述べた。

 さらに、「数多くのお客様より、あたたかい応援のお言葉を頂戴してきた。私たちは、このようなお客様への感謝の気持ちを、決して忘れてはならない。こうした思いから、2つの感謝の施策を実施する」とし、消費者向けキャンペーンを紹介した。

 ひとつは、「シャープ8Kテレビ誕生祭」であり、12月1日に発売した「AQUOS 8K」のデビューに合わせて、12月1日~31日までの間、抽選で88人に、液晶テレビAQUOSが当たるキャンペーンや、対象のテレビやロボホンの購入者を対象に、カタログギフトなどをプレゼントするキャンペーン内容となっている。もうひとつは、「シャープ白物家電60周年感謝祭」であり、今年で60周年を迎えたシャープの白物家電事業の節目を記念して、12月7日~31日までの間、ヘルシオや冷蔵庫、洗濯機、掃除機などの対象商品の購入者に、カタログギフトをプレゼントする内容だ。

 戴社長は、「一番大切なことは、社員一人ひとりが、常にお客様に対する感謝の想いを持って仕事に取り組むこと。東証一部への復帰を契機に、これまで以上に多くのお客様に信頼され、そして愛されるシャープになっていこう」と呼びかけた。

 東証一部復帰を大きな目標としてきたシャープが次に掲げる目標は、「中期経営計画の完遂」だと戴社長は位置づける。「中期経営計画の完遂に向けて、将来の柱となる新規事業を次々と創出していかなければならない」と述べた。

有機EL事業に対しても、意欲を示す

 そのひとつとしてあげたのが、有機ELディスプレイである。

 「2016年9月に、有機ELディスプレイの4.5世代生産ラインへの投資を決定し、その後、順次投資を進めてきたが、近々、スマートフォン向けの6.18型有機ELディスプレイのサンプル出荷を開始する。シャープは、8Kなどの液晶ディスプレイに重点を置いた事業展開が注目されているが、長年培ってきたディスプレイ技術を活用することにより、投資後、わずか1年あまりで、生産をスタートできるなど、有機ELディスプレイにおいても技術開発は着実に進んでいる。今後も市場動向をしっかりと見極めつつ、本格生産へと移行していく」とした。

 また、「重要技術の開発については、事業本部の経費とは別枠の社長ファンドを活用し、全社をあげてサポートしていく。2017年度下期には、8Kエコシステム構築に向けた技術開発に、約47億円の社長ファンドを充当することにした。今後は、8Kだけでなく、AIoTに関わる技術やソフトウェア、商品などの開発をはじめとして、様々な分野の技術開発を対象に、取り組みを一層加速していきたい。皆さんが積極的に新しい提案をしてくれることを期待している」と述べた。

 一方で海外事業の強化についても言及した。

 戴社長は、「海外における事業拡大は、極めて重要な取り組みのひとつである」とし、11月21日にはタイ、22日にはマレーシアで新製品発表会を行い、これに出席したことを紹介。「強いシャープが再び戻ってきたことを力強く宣言した」と振り返った。

 また、米国では、11月29日、30日の2日間、石田佳久副社長が出席し、全米ディーラー大会を開催。「ビジネスソリューション事業の販売店との結束を一層強化した。今後もこのようにアグレッシブな姿勢で、海外事業の拡大に取り組んでいく」と語った。

 最後に戴社長は、「2017年は、『シャープ復活の年』になった。私は2018年を、『シャープ飛躍の年』にしたいと考えている」と宣言した。

 だが、「飛躍と言っても、単に売上げや収益を拡大することではなく、経営理念に示された、『広く世界の文化と福祉の向上に貢献する』、『会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる』、『全ての協力者との相互繁栄を期す』ことができてこそ、本当の飛躍だと考えている。東証一部復帰を果たしたいまこそ、この本当の「飛躍」を皆さんとともに誓い合い、全社一丸となって、シャープを、日本を代表する企業へと成長させていきたい」と語った。

 そして、「2017年も残すところ3週間。2018年のスタートダッシュが切れるよう、1年の締めくくりと、新年の準備をきっちりとやり上げてほしい」とメッセージを締めくくった。

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