源泉所得税をインターネットのみを使って納付する方法があることをご存知ですか?
この方法を覚えておくと、忙しくてなかなか外に出られないときや納付期限が迫っているときにとても役に立ちます。
源泉所得税と支払時期と納期の特例の制度
会社や個人の給与を支払ったり税理士などに報酬を支払ったりする場合には、その支払の都度、支払金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引くことになっています。
差し引いた所得税及び復興特別所得税は、原則として給与などを実際に支払った月の翌月の10日までに国に納めなければなりません。
ただし、給与の支給人員が常時9人以下の源泉徴収義務者は「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(以下「納期の特例申請書」)を給与等の支払を行う事務所などの所在地を所轄する税務署長へ提出すると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、翌年1月20日がそれぞれ納付期限になります。
納期の特例の対象となるのは、給与や退職金から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税と、税理士などの一定の報酬から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税に限られています。
源泉所得税をインターネットで納付する方法
源泉所得税は、納付書での納付やATMで納付する方法以外に、インターネットで納付する方法もあります。
源泉所得税をインターネットで納付する方法には、主に以下の2つがあります。
・ネットバンキングでの納付方法
国税庁が提供する「e-Tax」を使って、電子納税手続きをする方法です。
1.源泉所得税及び復興特別所得税の納付手続(自主納付分)は、登録方式により、徴収高計算書データを作成して納付手続を行います。
徴収高計算書データには、手書きで作成する場合と同様の情報を入力します。
2.徴収高計算書データを作成したら、データを「e-Tax」に送信します。
3.「e-Tax」にログインし、メッセージボックスから納付区分番号等を確認します。
4.メッセージボックスに格納された納付区分番号通知の『インターネットバンキング』から取引のある金融機関にログインします。
税目、納付金額等が表示されるので、内容を確認し納税手続を行います。
・ダイレクト納付
事前に税務署へ届出をしておけば「e-Tax」を利用して電子申告等又は納付情報登録をした後に、届出をした預貯金口座からの振替により、簡単なクリック操作で即時又は期日を指定して納付することができます。
なおダイレクト納付の利用は「e-Tax」の利用可能時間であること、ダイレクト納付が利用できる各金融機関のオンラインサービス提供時間であることが必要です。
また、ダイレクト納付が利用可能な預貯金種別は、国税庁ホームページの利用可能金融機関一覧に掲載しているとおりとなるため、事前に確認をしておきましょう。
なお一部の金融機関では、特定のサービスを提供するための専用口座など、ダイレクト納付を利用することができない預貯金口座もあるので注意が必要です。
福留 聡(ふくどめ さとし))
公認会計士・米国公認会計士・税理士・米国税理士 福留聡事務所代表
「慶應義塾大学商学部卒。監査法人トーマツ、あずさ監査法人勤務後、独立。主に上場企業の決算支援、IFRS導入支援、国際税務などを得意としている。著書に『7つのステップでわかる 税効果会計実務入門』(2014年10月税務経理協会)、『公認会計士・税理士・米国公認会計士・米国税理士 資格取得・就職・転職・開業ガイドブック』(2014年11月税務経理協会)、『経理業務を標準化する ワークシート活用ガイド』(共著、2013年10月、中央経済社)。また、(社)日本士業協会よりIFRS、日米税務等DVD36巻を刊行している。
※本記事は「ROBOTPAYMENT公式ブログ」に掲載されたものを転載しております。
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