発売されたばかりのファーウェイの新フラグシップスマホ「HUAWEI Mate 10 Pro」。AI演算に特化したプロセッサやLeicaダブルレンズカメラに注目が集まっていますが、液晶キーボードやキーボード、マウスを繋ぐことでWindows PCのように操作できる「PCモード」も注目の機能の1つです。
同種の機能はサムスン電子のGalaxy S8/Galaxy Note8(+DeX Station)で実現されているので、後追いであることは否めないのですが、実際にこの機能をテストしてみて、大きな可能性を感じたので詳しく紹介しようと思います。
USB Type-C経由でHDMI出力し、液晶ディスプレーに接続
MateBook用のオプションが利用できた
まず、PCモードを利用するために必要な機材ですが、実はファーウェイがPCモード用の周辺機器として提供している製品はないので、各自で調達しなければなりません。
最小限であれば2000円程度で購入できるUSB Type-CーHDMIケーブルのみ。この場合、キーボードとマウスはBluetoothで接続します。ただBluetooth接続ではわずかながら入力のラグも感じました。今回編集部で試したのは、同じファーウェイのWindows PC「MateBook」用の純正オプションである「MateDock」(量販店のサイトなどで約5000円)。HDMI端子から映像出力できるうえに、通常のUSB端子×2もあるので有線のキーボード/マウスが接続でき、さらにType-Cでの給電も可能でした。
ちなみにネット上で販売されている同種のアダプターに加え、現行MacBook用のアップル純正アダプターも使えました。ただ、給電部分がやや怪しかったりもしたので(給電されているが充電速度が遅いなど)、あらかじめファーウェイが動作保証した純正オプションやサードパーティー製品があると、確実なのでうれしいところです。
ウェブブラウザーの表示や動作が快適
マルチウィンドウでも使えるし、日本語入力も○
では、肝心のPCモードに可能性を感じた部分。とにかく動作が軽快なのです。ウェブブラウザーのChromeは表示速度もスクロールもスカスカと動きます。ヘタなノートPCよりもずっと高速です。
もう1つ、HUAWEI Mate 10 ProのPCモードで可能性を感じたのは日本語入力プログラムを自由に変更できる点です。標準のiWnnに加えて、「Google日本語入力」にも「ATOK」にも切り替えられます。これはつまり、日本語キーボード配列はもちろん、個人的には必須の「Aの隣がCtrlキー」もアプリの追加で簡単に実現できるのです! Androidの定番テキストエディター「Jota+」を組み合わせれば、本格的な原稿執筆もできそうです。
ちなみにアプリウィンドウは、すべてのアプリで自由にサイズ変更できるわけではなく、サイズが固定だったり、スマホと同じ縦画面に固定されるものもあります。ただ、前述のJota+やExcelなど、個人的に比較的頻繁に使うアプリは大丈夫そう。個人的にOffice 365のサブスクリプションに入っているので本格的な仕事にも使えると思いました。会社の情報システム部から、「今日からお前の仕事用PCはこれな!」と、HUAWEI Mate 10 Proとディスプレーだけを渡されてもそれほど困らないでしょう。
スマホをPCのように操作するというのは、多くの人が1度は夢に抱くようで、Windows 10 MobileのContinuumも一時は大いに盛り上がりました。でも、動作速度の問題にシングルウィンドウのみ、そもそものアプリの数など、実用性は……でした。その点、HUAWEI Mate 10 ProのPCモードはほぼ実用的と言えるレベルに達しています(Continuumについてはそれ自体の問題というより、タイミングの問題もあったのでしょうが)。
PCモードのようなスマホの使い方の本格的な普及は、Androidの標準機能として組み込まれてからという感じがしないではないですが、この機能の可能性、機会があれば読者の皆さんもぜひ一度感じていただければと思います。
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