■気になる答えは? ダイドードリンコに疑問をぶつけてみた
ヒアリングの結果、自販機から出てくる飲料の温度を気にしている人が多いことが判明しました。「温度計を可視化したらいいのでは」という声もあったくらい。そこで、飲料メーカーに上位の疑問3つを直接尋ねてみることにしました。
自販機といえばダイドードリンコ。ダイドードリンコは売上構成の約8割を自販機が占めている自販機の比重が大きい飲料メーカーで、ダイドードリンコの自販機は、おしゃべり機能があったり、ルーレット機能があったりと、ユニークな展開をしているイメージがあります。
そんなダイドードリンコに自販機の疑問をぶつけてみたところ、快く回答してくれました。
<自販機の疑問をズバリ解決>
Q「自販機から出てくる製品の温度は何度?」
A「コールドは5度前後、ホットは55度前後」
メーカーにより多少の違いはありますが、コールドは5度前後、ホットでは55度前後が基準となっています。飲料は冷やし過ぎすると甘みや風味を感じにくく、温めすぎるとすぐには飲めない方もいらっしゃるので、これくらいの温度が適温とされています。
当社自販機では、コールドとホットの飲料を同時に出来るだけ少ない電力で販売するため、飲料を冷やした時に出る熱を、外に出さずにホットの飲料を温めるのに再利用する「ヒートポンプ」という機能を搭載したり、自販機内の飲料全数を冷却・加温するのではなく、販売が見込まれる数量だけを部分的に冷やしたり温めたりすることで、消費電力を減らす工夫もしているんですよ。(回答者:ダイドードリンコ 自販機営業企画部 池田さん)
つばさの感想
「ホットの飲料は温めすぎるとすぐには飲めないというのも考慮されているのですね! 考えてみると、これまでに自販機の飲み物が熱すぎるということはなかったなあ」
Q「缶コーヒーで『振るもの』『振ってはいけないもの』の違いは?」
A「ボトル缶などは容器強度の関係で窒素を充填しているため振ってはいけない」
ポイントは、缶内部の圧力が外より高いか、低いかです。例えば、ボトル缶やSOT環境配慮缶(軽量スチール缶)※ は、容器強度を保つために窒素を充填しており、缶内部の圧力が外より高くなっています。そのため、缶を振ってしまうと、窒素と一緒に中身の液が噴き出してしまうこともあるので、「振らずに水平にゆっくり開栓してください」または「軽く振り、少し待ってから開缶してください」と表記しています。
一方、一般のSOT缶は、缶内部の圧力が外よりも低くなっているので、振っても噴き出すことはなく「よく振ってからお飲みください。」と記載しています。はじめて飲む缶コーヒーの場合は、開ける前に注意書きの確認をお願いいたします。(回答者:ダイドードリンコ マーケティング部 小西さん)
※SOT缶とは、プルタブ付の缶のこと。
つばさの感想
「てっきり飲料の成分の関係だと思っていました。缶の種類によって充填の工夫が異なっているとは、びっくりです」
Q「自販機で1円玉や5円玉が使えないのはどうして?」
A「省スペースのためです」
厳密に言えば、技術的には可能なのですが、1円玉、5円玉を利用可能とすると、これらの硬貨を保管するスペースが自販機内に必要になります。そうすると、自販機自体のサイズが大きくなるか、自販機に入る商品のスペースが少なくなってしまいます。
自販機にとって省スペースは重要であることや、商品の価格は10円単位のため、お釣りとして1円玉と5円玉が必要となるシーンもないことから、これらの硬貨は未対応となっています。
最近は電子マネー対応の自販機も増えてきているので、完全電子化になるとお金を保管するスペースもいらなくなり、自販機もよりコンパクトになるかもしれないですね。(回答者:ダイドードリンコ自販機営業企画部 古門さん)
つばさの感想
「電子マネーの普及がこれから進むかもということを考えると、超省スペースの自販機も実現するかもしれないですね。隙間のような狭小なところにも設置できたり。おもしろそう」
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