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3年先行く(?)niconicoの新バージョン「niconico(く)(クレッシェンド)」発表

2017年11月30日 17時00分更新

文● MOVIEW 清水 編集●南田ゴウ/ASCII編集部

 動画発掘やクリエイター支援の機能もいくつか用意されている。これまでAmazonのアフィリエイト商品などを貼る「ニコニコ市場」があったが、これが「ニコニコ新市場」にリニューアル。この部分には動画関連商品を貼るだけでなく、「niconico(く)」の機能の機動ボタンを貼っておくことができるようになり、たとえば「オープニング」や「エンディング」といった機能をボタンひとつで配信できるようになる。

 「ニコニコ新市場」に貼れるボタンは、Amazonやオープニング・エンディングなど、ジャンルは少ないが、貼れる数は膨大な数となっている。

 「クルーズ」という新機能は、新しい動画や番組を探す負荷を軽減する機能。ボカロやランキングといったテーマ別のクルーズを選ぶと動画や番組が配信されていくが、双方向機能によってその先を選ぶことができるようになった。おもしろい動画を探す人を応援する機能として、トレンドに登録した動画の再生数に応じてバッジが付加されることも合わせて発表された。

 クリエイター支援の「ニコニ広告」は、「nicocas」の「休憩する」機能時に再生された動画が後で見るボタンを押されると再生数が加算され、クリエイターに還元される仕組み。宣伝は、ユーザーがニコニコポイントを利用して行なうことができる。

直近で開始されるサービスも発表

 このサービス発表会の時点で新たにサービスが開始された企画が2つあることが発表された。ひとつはキュレーションサービスである「ニコニコまとめ」。動画を簡単にまとめ記事にすることができるサービスだ。

「ニコニコまとめ」の操作画面。右側にあるサムネイルからドラッグ&ドロップするだけで動画のまとめ記事を作ることができる

 操作はいたって簡単で、ドラッグ&ドロップするだけでOK。サムネイルの横にはヒートマップが表示されており、動画の中のコメントが多かった部分がひと目でわかるようになっている。まとめ記事はログイン不要で、ニコニコ会員以外にも発信、拡散することができるのが特徴だ。

 「Apple TV」にニコニコ動画が対応した「niconico TV」がサービスインしたことも発表された。これにより、Apple TVのアプリを用いれば、ログインせずにニコニコ動画を視聴できる。連続自動再生機能や、Siriによる音声検索、コメント入力も可能だ。「niconico TV」はApp Sroreでダウンロードできる。

 12月1日からはNTTドコモのdアニメストアのニコニコ支店が開設される。dアニメストアで配信されているアニメをすべて視聴でき、コメントを書くこともできる。ただし、すでにdアニメストアの会員になっている場合はそのアカウントは紐付けられないので、ニコニコ支店を利用する場合は新たに入会しなければならない。

「dアニメストア ニコニコ支店」

「niconico(く)」の今後のスケジュール

 「niconico(く)」のリリース予定などは次の通りだ。

2017年12月3日13時:体験生放送
2018年1月:公式生放送開始
2018年1月28日:全機能発表
2018年2月28日:「niconico(く)」サービス開始

 サービス発表会の冒頭で「niconico(く)」のリリース開始や、現状のニコニコ動画・生放送の問題解決についての説明がなされたのだが、「niconico(く)」は10月開始とアナウンスされていたが、開発や検証に時間がかかり、来年2月28日サービスインとなったとのこと。

 また、他の問題としては、動画の画質、重さが取り沙汰されている点について、現状では完全に解決していないことが明らかになった。タイムシフトの画質の問題、チャンネル動画の高画質化、4Kへの対応などについては改善努力を続けており、「niconico(く)」のリリースに合わせて、半年以内にはほぼすべてが解決するとのことだ。

 今回の発表会では一般ユーザーも来場していたが、質疑応答ではやはりこの画質と重さに対するリクエストが多かった。しかし、根が深い問題があり、対応に時間がかかっているという説明がなされた。解像度については720pまでは対応しようとしており、最終的には1080pも検討しているとのこと。また、ニコニコ動画、ニコニコ生放送、そして今回のnicocasはどこかのタイミングでひとつにしたいということだ。

 今回の「niconico(く)」投入の効果としては、ニコニコとして取れていないマーケットであるスマホユーザーの取り込みに期待しているといい、新しいサービスに対する感受性の高い若年層を多く取り込んでいきたいという抱負が語られた。

 これまで低品質だったスマホアプリの機能が向上し、映像合成や双方向のサービスを拡充することでスマホユーザーに受け入れられると考えていると、川上氏は新サービス投入に対する自信を示す。発表会では来場者からの質問に時間制限をせず、すべての質問に対して川上氏が回答する一幕も見られた。


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