新しいVAIO Proシリーズが発売された。これに合わせて、新たな法人向けソリューションとして提供されるのが、ワンビがVAIO向けに開発したサービス「TRUST DELETE Biz for VAIO」だ。
TRUST DELETEは、パソコンを紛失した際、遠隔操作でデータ消去やロックを可能にするサービス。パソコンの持ち出しの利便性と表裏一体となる、紛失時の情報漏えいを未然に防ぐ有効な手段のひとつになるはずだ。「for VAIO」と書かれている点からも分かるように、VAIOだからできる機能も盛り込んでいる。それではTRUST DELETE Biz for VAIOとはどんなものか? ワンビ代表取締役社長の加藤 貴氏を取材した。
大切な情報を守るため、OSも含めすべてを遠隔削除
まずTRUST DELETEは、ワンビを設立した2006年から自社開発し、販売してきたプロダクトだ。当時は情報漏えいに対する対策が本格的に求められ始めた時期で、「紛失したパソコン」や「盗難に遭ったパソコン」から、「個人情報」や「企業の情報」が漏えいしないようにできるものとなる。
簡単に言えば、紛失したパソコンをインターネットにつなげると、消去命令を受け取り、自動的にデータ消去が始まるというもの。2005年に個人情報保護法が成立し、企業では「持ち出し禁止パソコン」といったものが出てきた。本来持ち出すために作られたパソコンが、持ち出し禁止になるのは本末転倒だ。こういった事態を避けて、パソコンを持ち出して使う利便性を何とか確保したいという思いで開発したという。
当初の製品では、このソフトウェアをパソコンに事前にインストールしておく必要があった。しかし、よりセキュリティを厳格にしてほしいという要望があった。そこで一部のデータだけでなく、OSを含めたすべてのデータの削除を実行できればと考えた。というのも従来のソフトでは、インターネットに接続するためにOSの起動が必須となる。ソフトもそのうえで動作するので、OS自体もソフト自体も消すことができない。その実現のためにはハードウェアとの連携が必要である。
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