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「無茶メガタスク」でもRyzen Threadripperは強かった

ゲームからクリエイティブまで快適に使えるモンスターPC『G-Master SLI-X399A』

2017年11月22日 11時00分更新

 今年のデスクトップPCはインテルの第7世代コアの登場から始まり、AMDの「Ryzen」、インテルの「Core X」、AMDの「Ryzen Threadripper」、そしてインテルの第8世代コアの登場と、CPUが大豊作となっている。これらの新しく登場したCPUに共通する特徴といえば、多コア化が挙げられるだろう。年始の第7世代コアこそ4コア止まりだったが、その後に続くCPUは6コアや8コアと数が増え、16コア以上というものも珍しくなくなり、今までメインストリームでは4コアが主流だったというのが不思議に思えるほどの増え方をしている。もちろんそのぶん高価になっているが、性能が飛躍的に上昇したというのもまた事実だ。

 では、この大幅に向上した性能は何に使えるのだろう。よく言われるのは動画エンコードや、CGレンダリングといったような膨大なデータを処理する「メガタスク」だが、では、こういった用途でPCを使わない人にとっては意味がないのだろうか。実はそんなことはなく、オフィスソフトを使う人や、ブラウザーでウェブを見て回る人にとっても十分なメリットがある。それが、複数のソフトを同時に起動したまま使う、いわゆる「ながら作業」だ。

動作の軽いソフトでも、複数使えばどんどん重たくなってくる

 単体で重たいソフトが快適に動作するようになるのが高性能PCのいいところだが、軽いソフトを大量に起動したまま使えるというのもまた、高性能PCのメリット。例えばオフィスソフトを使って書類を作るにしても、ブラウザーで関連情報を調べながら、PDFの資料を開き、書類に入れる写真を加工するといったように、複数のソフトを同時に使うというのはごく普通の風景だ。

 ノートPCでは、ディスプレイの制約からすぐに使わないウィンドウは閉じたり、必要最低限に絞り込んだりといったことが必要となってしまう。複数のソフトを使う場合でもウィンドウやタブの切り替えが頻繁に必要で、この作業だけでも意外と手間がかかってしまいがちだ。これに対してデスクトップPCは、4Kの大型ディスプレイと組み合わせると表示領域に余裕ができるため、多くのウィンドウを開きっぱなしにして作業ができるぶん、効率的に仕事が進められるわけだ。

 この開きっぱなしで作業できるというのは便利な半面、実はちょっとした罠でもある。後で使うかもしれないソフトを片っ端から起動したままにしてしまうため、ひとつずつは大した負荷にならなくても、積もり積もってPCへと多大な負荷をかけてしまうようになるからだ。マメに終了すればいいのだが、終了したものに限って再度すぐに使うことになったりするのはよくあること。そのため、ギリギリまで開きっぱなしにしてしまいがちだ。高性能なPCになるほどこの限界になるまでの猶予が増えていくため、より多くのソフトが使えるようになる。

 もう少し具体例を挙げてみよう。例えばAtom搭載のネットブックならYouTubeで動画を見るというのがやっとで、同時にブラウザーゲームなどをプレイする性能的な余裕はない。これが、フルHD液晶搭載でCore i5以上のCPUを搭載したノートPCであれば、動画を見ながらのゲームプレイはもちろん、さらに攻略ページの表示やメッセンジャーを使った仲間との連絡まで可能になるだろう。PCの性能が上がれば、ひとつのソフトが軽快に動くようになるというだけでなく、複数のソフトを組み合わせた「ながら作業」で、より便利に使えるようになるわけだ。

使い方は人それぞれ
Ryzen Threadripperなら「無茶メガタスク」でも活躍

 現代の杜子春こと、編集部のジサトラハッチ氏も、そんな「ながら作業」をよくしている一人だ。ただし、ソーシャルゲームをこよなく愛する氏の使い方はやや特殊で、プレイしているブラウザゲームを多数表示し、それぞれのゲームの待ち時間を利用して並行して遊んでいるという。ながら作業というよりも、ブラウザーゲームがひとつのタスクとして存在する……「無茶メガタスク」として処理しているともいえるだろう。

 ちなみに、少し古い4コアのCPUを使っていた時は、ゲームを3つくらい開いたあたりから重くなりはじめたそうだ。CPUだけでなくメモリーの問題もありそうだが、PCへの負担が大きいという点では同じ。また、ブラウザゲームだけでなく普通のPCゲームを遊ぶこともあるというのだから、負担はさらに大きくなるだろう。

ブラウザゲームを4つ、さらに情報収集のためにウェブページを開きつつ、ゲーム実況を見ながら、自分でもゲームをプレイする、というようなシーンを再現してみた。少々頭が悪い感じになったが、こんな状況でもRyzen ThreadripperならCPU負荷は軽い

 ちなみに4K液晶でもこの数のブラウザゲームを表示するには画面に余裕がないのだが、ハッチ氏はさも当然かのように縮小表示にしていた。グラフィックが主体のブラウザゲームで縮小表示するという発想がなかっただけに少々驚かされたが、複数のゲームを同時にプレイするために編み出された技なのだろう。

 こういった無茶メガタスク用途でも、多コアのCPUであれば余裕でこなせるというのが強み。『G-Master SLI-X399A』はCPUに「Ryzen Threadripper」を採用しているBTOパソコンで、メモリースロットも8つ装備しており、より多くのメモリーを搭載できる。16GBのモジュールを使えば16GB×8、つまり128GBものメモリーを載せることも可能だ。

最上位となる16コアの「Ryzen Threadripper 1950X」。メモリーは最大8つまで装着でき、128GBという大容量も実現可能だ

 今回試用した『G-Master SLI-X399A』は、CPUに「Ryzen Threadripper 1950X」、メモリーは最大となる128GB、さらに「GeForce GTX 1080 Ti」×2をSLI構成で搭載したモンスター級のBTOパソコンだ。さすがに無茶メガタスクに使うにはもったいなさすぎる構成だけに、もう少し実力がわかるテストから、その性能を見ていくことにしよう。

主なSPEC
CPU AMD Ryzen Threadripper 1920X([3.5GHz/12コア)
CPUクーラー Corsair H100i V2 (CW-9060025-WW)
マザーボード ASRock X399 Taichi (AMD X399)
メモリー 16GB(4GB×4、DDR4 PC4-19200)
SSD Crucial CT525MX300SSD1(525GB)
グラフィックス GeForce GTX1080Ti 11GB×2(SLI)
電源ユニット Corsair RM1000x (1000W、80PLUS GOLD)
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