何があった! またペヤングか!
拝啓 立冬の候、まるか食品様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、貴社商品の「ペヤングもっともっと激辛MAXやきそば」(11月6日から全国のファミリーマート、サークルK、サンクスで先行発売。一般発売は12月4日)をいただきました。198円でした。
貴社は、「激辛か……めっちゃ辛くしたろ!」「超大盛りか……量を2倍にしたろ!」のように、きわめてシンプルな発想による製品展開を得意とされている企業と存じております。
この度の新製品も、「ペヤング 激辛やきそば」をおそらく2倍にしたような、わかりやすい味ではないかと想像しておりました。
しかしながら、いざ激辛ソースを投入してみますと、思った以上に茶色で、フルーティーな香りがすることに驚きました。どうせ真っ赤なのだろう、どうせ匂いからして辛そうなだけだろうと思い込んでいた己の不明を恥じるばかりです。
ただ、調理を終えた時点で、自分の中にふつふつと疑問が浮かび上がってきました。「これは辛くないのでは? まるか食品が何かの手違いで普通のソースを入れてしまったのでは……?」と。それほどまでに、辛くなさそうに思えたのです。一体、貴社はどうされてしまったのだろうと不安を覚えるほどでした。
辛くない……? → やっぱりめっちゃ辛い
おそるおそる、口に運んでみました。ペヤング特有のフルーティーでありつつジャンキーなソース。やはり、普通のペヤングではありませんk……うわ辛っ! なにこれ辛っ! 後味から急に舌にビリビリきて辛っ! えっちょっとダメでしょこれ辛っ!
ぜんぜん辛いじゃん! なんで!? 普通のペヤングとぜんぜん違うじゃん! ただのカップ焼きそばだって、友達に言ったのに……激辛MAXだなんてわかんないからって……わたし……バカみたいじゃん!
まず、というか、通常のペヤングと違うところはソースだけでした。そのソースは、色も香りも、通常のものと大差ないように見えます。ですから、口に入れても一瞬「あれ、あまり変わらないな」と思うのです。
違いはここからでした。舌に乗せてしばらくすると、一気に辛くなる。そして後味にしっかり残るぐらい辛さが持続します。本当に辛いです。「辛い、辛い」ばかり書いて編集者としていかがなものかと思いますが、辛いのです。舌も喉も痛くなる。ガチ辛です。
より広い味の感想を求めるべく、家電担当の盛田、動画班のサンキュー鈴木、進行管理の西牧にも試食させました。
盛田「口に入れた瞬間は『大したことねーな』と思ったけど、めっちゃ大したことあった。舌の上でいきなり辛くなる。ペヤングの皮をかぶった激辛の狼だ。しかも本当に辛くて、脳まで届きそうな感じ。なにこれ。辛いわ。マジで辛い」
サンキュー鈴木「うわー、ごめんなさい辛いです。最初は普通のペヤングのバリエーションかなと思ったけれど、後から信じられないくらい辛味が来る。辛いのが苦手な人だと絶対に無理でしょう。ただ、辛さだけじゃなくてソースの味わいが残っているので、単調ではないのが面白いですね。辛いですが」
西牧「辛党でも、しっかりわかるぐらい辛いですよ。でも辛さだけじゃなくて、ペヤングらしいジャンクなカップ焼きそばの味わいが残っている。たとえば生卵を落とすとか、マヨネーズを入れるとか、そういうアレンジをしても面白いかもしれないですね」
自分は心のどこかで貴社を信じていなかったのだと思います。激辛というからにはどうせ真っ赤にしかできないのだろう、そうでない色と香りがするソースだから辛くないのだろう、と。
そうではありませんでした。貴社は、「通常のペヤングの雰囲気を残しつつ、すごく辛くする」ことができたのです。度重なる失礼、本当に申し訳ございませんでした。ペヤングもっともっと激辛MAXやきそばは、貴社ご一同様のご努力ご精進の賜物と感服いたしております。
それでは、いよいよ寒さが深まる時期ですが、何卒ご自愛専一にお過ごしください。 敬具
平成29年11月8日 ASCII編集部 モーダル小嶋
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。髪型を坊主にしたため、プロフィール画像とまったく違う風貌になった。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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