コストは従来の8K撮影環境の10分の1
基本設計はアストロデザインが担当し、生産調整などはシャープが行なう。アストロデザインは8年ほど前からNHKとともにHDTVの開発に関わり、8Kについても開発に携わった企業。
同社代表取締役社長の鈴木茂昭氏は、これまで「8Kがあまりアピールされていない」と感じていたが、シャープが8Kに大きく舵を切ったことで8K映像の認知が広まったと指摘。
その上で、従来8K撮影には複数の機材(8Kカメラやコントロールユニット、レコーダーなど)が必要だったが、8C-B60Aは1台ですべてをこなせるため、「コストとしては10分の1で済む」とのこと。これにより間口が広がることを期待した。
シャープがビデオカメラ市場に参入
2020年にはコンシューマー向け8Kカメラも
シャープの取締役兼執行役員で8Kエコシステム戦略推進室長の西山博一氏は、8Kカムコーダーを発売することの意義について「新生シャープが新しい領域に参入した」ことであると強調。
また、1000万円を切る「導入しやすい価格設定」を実現したことで「多くの8Kコンテンツが生み出されることになるだろう」期待を示した。
さらに、8Kと5G通信、8KとAIの組み合わせにより、さまざまな分野で新しい価値を生み出せるとし、今後の社会の中核の1つを8Kが担うと予想した。
シャープの常務で電子デバイス事業本部長の森谷和弘氏は、8Kカメラの活用について言及。2Kの16倍という解像度により、たとえばサッカーの試合ではフィールド全体を撮影することで複数の2Kカメラの代替となりコストを削減できるほか、映像配信では好きなところをズーム(トリミング)できるなど、利点が多いことを強調。
また、高精細がゆえに検査映像などを数値データに変換するような活用も可能で、AIと組み合わせるなどさまざまな可能性が考えられるという。
今後、監視カメラや医療カメラなどへの展開はもちろん、2020年にはコンシューマー向け8Kカメラも製品化していくとのことだ。
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