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カタログスペックではわからないiPhone X進化のポイント

Face IDは使い勝手良好

 従来のモデルでは、パスコードとTouchIDのいずれを使用していても、端末をタッチする必要があった。多くの場合では問題にはならなかったが、入浴や料理をしているときなど、指先が水にぬれた状態では誤反応が多くロックしにくい。

 Face IDでは画面を触れる必要がなく、インカメラ部分に水滴などがない状態であれば問題なく認証が可能だ。仮に、顔が水に濡れている状態でも、正しく認証できた。

メガネをかけているときはどうか

 筆者は仕事中など細かい文字をみるときだけ、メガネをかけるようにしている。Face IDの登録時にはメガネを外していたが、つけていてもロック解除できたのは意外だった。

 Windows Helloの顔認証では、メガネをつけているとき、外しているときの両方を登録しておく必要があったため、Face IDの使い勝手はかなりいいと感じる。

 では、寝ているときはどうだろう。実際に横になって目をつむった状態で、妻にロック解除を試みてもらった。しかし、仰向けになった状態でも、横を向いている状態でもロックが解除されることはなかった。目を閉じている状態を識別しているのかと思い、白目をむいた状態でのロック解除を試みたが、こちらも解除されることはなかった。

 つまり、iPhoneの画面を見ている必要があるということだ。つまり、利用者が解除する意図を持って操作しなければロック解除されないし、逆にiPhone Xを使おうと思って手に取れば、自然とロック解除できる。この調整には、相当な労力と時間を要したのではと勘ぐってしまうほどの完成度の高さだ。

Face ID用のライトは、肉眼では確認できないが、デジタルカメラなどで捉えることが可能。スピーカーの左側が光っているのがわかる

画面やスピーカーについて

 iPhone XはシリーズではじめてOLED(有機EL)を搭載している。OLEDは液晶とはかなり異なる色調となるため、iPhone Xではどの程度違うのか気になるところだが、実際は比べてみると色の表現がかなり異なっている。

 TrueToneをオンにしたiPhone 8や「9.7インチiPad Pro」に比べると、iPhone Xは若干赤色の強い発色だ。YouTubeアプリのアイコンのような、赤一色の表示であってもそれほど違和感は感じない。手持ちの「Galaxy S8」と比べても、かなり自然に見えるようiPhone Xの画面は調整されている。

 スピーカーに関しては驚くような進化はなく、iPhone 8と同じ水準は保っている。

その他細かな点

 そのほかの気になる点については、画像とともに見ていこう。

重量

 重量は実測値で173.05g。カタログスペックの174gよりもわずかに軽いが、体積比でみる密度は高いためにずっしりとした重量感がある。

カメラの出っ張りはどれくらい

 カメラを含めない厚みが7.8mm(カタログスペックは7.7mm)。カメラ部分を含めた厚みが9.3mm。出っ張りは差し引いた1.6mmとなる。

ホーム画面のアイコン数

 ホーム画面に置くことができるアイコンの数は、iPhone 8、iPhone Xともに変わらず。iPhone 8やPlusにある、画面の大きさの変更設定は、iPhone Xにはない。

外村克也(タトラエディット)

 スマートフォン・パソコンなどのデジタル機器をはじめ、アプリ・クラウドといったソフトウェアを活用するためのコンテンツを中心に制作している編集プロダクション、タトラエディットの代表取締役。著書に『人生が変わる-ずるいスマホ仕事術 タブレット対応版』(宝島社)、『世界一やさしいiPad』(インプレス)、『格安SIM&SIMフリースマホ パーフェクトマニュアル』『Windows 10 パーフェクトマニュアル』(ソーテック社)など。

「人生が変わる-ずるいスマホ仕事術 タブレット対応版」

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