ソニーが11月25日に発売を予定しているミラーレス一眼の新モデル「α7R III」(ボディーのみの予想実売価格は40万円前後)。この体験会が10月27日に開催された。
ソニーはミラーレスタイプのフルサイズ機として、最上位機種の「α9」と、その下のクラスとなる「α7」をラインナップする。
α7には、スタンダードモデルの「α7」シリーズ、高精細モデルの「α7R」シリーズ、高感度モデルの「α7S」シリーズの3タイプがある。
今回発売されるα7R IIIは、α7Rシリーズ3代目にあたり、約2年ぶりのモデルチェンジとなる。
一番のウリとなるのは「ピクセルシフトマルチ撮影」という機能だ。撮像素子は通常、1画素あたり(RGBのうちの)1色の色情報を得て、そのほかの色は周囲の画素から補完して画像を生成する。
しかし、本機では撮像素子を1画素ずつずらして4回連写し、専用のPC用ソフト「Imaging Edge」で合成することで1つの画素でリアルにRGBの色情報を取得。この結果、高い解像感と忠実な質感描写が得られるという。
Imaging Edgeは「Remote」「Viewer」「Edit」の3つの機能があり、RemoteではPCからのリモート撮影に対応。ピクセルシフトマルチ撮影もPC上から可能となっている。α7RIIIはUSB 3.1(Type-C端子)を装備しており、巨大なRAW画像の転送も高速に行なえる。
Viewerでは撮影画像の確認はもちろん、ピクセルシフトマルチ撮影で撮影された4枚の写真を自動で合成して表示してくれる。
Editではピクセルシフトマルチ撮影で撮影された画像の現像が可能で、明るさや色合い、ピント位置などの画質調整もできる。
連写速度も従来の5コマ/秒から10コマ/秒に高速化されている。メカシャッター、電子シャッターどちらでも10コマ/秒の撮影が可能で、上位機種のα9と比較して、電子シャッター(最大20コマ/秒)こそ負けているが、メカシャッター時(最大5コマ/秒)はα7RIIIのほうが多くの枚数が撮れる。
なお、シャッターチャージユニットも新開発のものを採用しており、約50万回のレリーズ耐久性を備えているという。
このほか、人物の瞳を検出してピントを合わせる「瞳AF」も強化された。被写体が移動したり回転したりしても追従が外れにくくなり、さらに被写体が伏し目がちでも瞳を検出できるようになった。
そして、同時に発売される「FE24-105mm F4 G OSS」レンズ(税抜き希望小売価格 16万5000円)も注目だ。
105mmの望遠撮影が可能ながらも、38cmまで寄れる幅広い撮影範囲が特徴。全域でF4という明るさも魅力だ。
近距離での撮影はもちろんだが、たとえば数キロ離れた場所にある、肉眼では米粒程度にしか見えない看板も、望遠で撮って画像を拡大すると文字まではっきり読み取れる。これ1本あればかなり撮影範囲が広がるだろう。
普段、初代「α7」を使っている筆者は、やはりα9への憧れが大きい。上位機種のα9は位相差AF時で693点の測距点が利用できるが、α7R IIIは399点など、当たり前ではあるが基本スペックではα9が高性能である。
ただ、撮像素子はα9が有効2420万画素なのに対して、α7RIIIは4240万画素と多い。多ければ高画質というわけではないが、精細感は高くなる。
今回実機を触ってみて、α7R IIIがかなりうらやましく感じたのはもちろんだが、新レンズのFE24-105mm F4 G OSSについては猛烈に欲しくなってしまった。
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