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住民が5人の村の祭り、テレビで取り上げる意義

2017年10月27日 11時30分更新

文● ナベコ 撮影●高橋 智

■取り上げる祭りに規模の大小は関係ない

番組として収録することで、映像資料としても後に残る。

――これまでに様々な祭りを取り上げられていますが、ユニークで記憶に残っているお祭りはありますか?

森田さん:難しい質問ですね。どの祭りも祭りごとに特殊性があってユニークですよね。ユニークじゃない祭りってないと思うんですよ。

――考えてみると、私は今、東京の深川の近くに住んでいるのですが、深川の八幡祭りは水を神輿にバシャバシャかけるので、別名水かけ祭りと言われています。他にはあまりないですよね。

森田さん:深川の八幡祭りも今年日本の祭りで取り上げさせていただきましたが、地元の方々は、水をかけることに何の疑問もありませんよね。それをずっとやってきていますから。ですが、他の地域から見ると、水を大量に用意してホースで水をかけて、とずいぶん不思議なことに思えますよね。全国でまったく同じ祭り、というのはないのではないでしょうか。

――その通りですね。取り上げる祭りは、規模的に大きめの祭りが中心なのでしょうか?

森田さん:規模の大小は関係ありません。有名無名に関わらず、後世に残したい祭り、全国に知ってもらいたい祭りを取り上げています。小さい規模だと、高知県、椿山の住民の方が5名しかいらっしゃらない村の祭りを取り上げさせてもらったことがあります。

――住民が5名だけで祭りを存続できるものでしょうか?

森田さん:神事があって、祭りとして伝統的な形式が残っていましたから、しっかりと番組になりました。その村では残念なことに、その後さらに住民が少なくなってしまったそうです。ですが、今も近くの村の方々も協力して、祭りを継続していらっしゃいます。まさに番組の映像を資料として活用されているという話を聞きます。

――人がいなくなると、せっかくの伝統が途絶えてしまうかもしれません。そういうケースでは映像資料が本当に大切でしょうね。

森田さん:少子高齢化や過疎化で、地域に伝統を継承する人がいなくなったり、また費用的な問題でかつての様式を続けられなくなった祭りもあると聞きます。テレビ収録して映像を残すとお伝えすると、その年はなるべく伝統的な様式に戻したりと、祭人がモチベーションを上がるようです。

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