スマートスピーカー、略して……?
今月に入って、スマートスピーカーが次々と発売されています。5日、体験版を販売済みだったLINE「Clova WAVE」の正式発売。6日には、グーグルによるスマートスピーカー「Google Home」が国内で発売されました。
アマゾン「Amazon Echo」が年内の発売が予告されているほか、日本では発売が未定ですが、海外ではアップル「Home Pod」が年内中に発売されます。また、国内メーカーも、ソニー、東芝、オンキヨーなどが、AlexaやGoogleアシスタントを搭載したスマートスピーカーを発表しています。
今日も今日とて、アスキー編集部でスマートスピーカーの記事を眺めていたところ、家電担当の盛田さんが「そういえばスマートスピーカーの略語って何ですか」とぽつりとつぶやいていました。言われてみると、確かに、わかりません。「スマスピ」でしょうか。それとも「スマピ」でしょうか。
まずはGoogleに聞いてみる
困ったときはGoogleに聞いてみます。「スマスピ」で検索すると約2170件。「スマッシュスピリットカップ」というバドミントンの大会があるようで、その話題ばかりが見つかります。
続いて、「スマピ」で検索すると約6万4200件。スマスピとは一ケタ違います。これはスマピが優勢なのでしょうか?
しかし、話はそう単純ではありません。「スマピ」で検索して、主に引っかかるのはスマホピアス(イヤフォンジャックに差し込むアクセサリー)です。また、ゲーム「Titanfall2」の武器「スマートピストル」なども候補に出てきます。要するに、“スマピ”と略されているものが、世間にはかなり多いわけです。
こうなると、スマピが今からスマートスピーカーの略称になるのは、いささか難しいかもしれません。むしろ、あまり使われていないスマスピの方に勝ちの目があります。
ちなみにGoogle トレンドで「スマスピ/スマピ/スマピカ」で比較してみると、スマスピとスマピが競っています。もう1つぐらいあるといいかな、と思って一応候補に入れた「スマピカ」は空気ですね。
既存の略称から考えてみると、語感が似ているのはなんといっても「スマホ」でしょう。もちろん、スマートフォンの略ですが、スマ“フォ”」ではなくスマ“ホ”呼びが定着しています。
“スマ”ート“フォ”ン→スマホ理論で行くと、スマートスピーカーは「スマス」になります。ただ、これだとスピーカーのことだとはちょっとわかりにくい。若干クトゥルフ神話っぽいような気もしますし、1980年代のバンドっぽい語感ともいえます。
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さすがにスマスは略しすぎで、スピーカー感がまったくありません。知らない人でもかろうじてスピーカーだと伝わるスマスピは優秀な略称ではないかという気がしてきました。
まず、スマートスピーカーが有名にならないといけない
ガジェット好きなアスキー編集部員に、あなたなら「スマートスピーカー」をなんと略しますか、と聞いてみたところ、多かったのはスマスピ派。うーん、やはりスマスピ優勢でしょうか。
ただ、中には「そもそもスマートスピーカーという言葉がまだ市民権を得ていない」という意見もありました。今後の展開によっては、そもそも「スマートスピーカー」なる呼び名すら、全然違うものになる可能性がある。
たとえばどこかの企業が、「みなさんはスマートスピーカーと呼んでいるが、我々はAIスピーカーと呼ぶ!」などと言って製品を発表し、それが大ヒットしたら、いま我々がスマートスピーカーと呼んでいるものが、こぞって「エースピ」などと呼ばれるようになる可能性があります。そのようなことを考慮すれば、スマートスピーカーの略称を考えるのは、まだ早いのではないか。
スマートフォンだって、今のようなかたちになるまでには、PDAやフィーチャー・フォンなどの進化、影響があって今のような形になり、世間に普及してからようやく「スマホ」と呼ばれるようになったわけです。そう考えれば、我々がスマートスピーカーの略称で悩むのは、もっと先の話なのかもしれません。
また、かつてコピーすることを「ゼロックス」、ケータイで写真を撮ることを「写メ」と呼んだように、どれか一つの製品がシェアを大きく奪うようなことがあれば、その製品名がスマートスピーカーの代名詞となる可能性もあります。
昔、iPhoneが国内ではソフトバンクしか扱っていなかった頃に、ドコモのAndroidスマートフォンを「ドコモのiPhone」と呼んでいた年配の方がいました。これは極端な例かもしれませんが、それこそiPhoneレベルのプロダクトがスマートスピーカーから出てこない限りは、スマートスピーカーの略称はおろか、存在そのものも、なかなか根付かないかもしれませんね。
というわけで、結論としてはスマスピ優勢。だけど、そもそも「スマートスピーカー」という存在がもっと世間に広まらなくては厳しい、というところでしょうか。今後のスマートスピーカーに、おおいに期待しています。
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