JAXAは10月18日、月の火山地域の地下に、複数の空洞の存在を確認したと発表した。
日本の月周回衛星「かぐや」に搭載された電波レーダー、月レーダーサウンダーで取得したデータを解析した結果、確認されたとしている。空洞は地下数十〜数百mの深さにあり、かぐやが発見した縦孔を東端として西に数十km伸びた巨大なものもあるという。
月には、かつて溶岩が流れた際、地下に形成される空洞(溶岩チューブ)が存在していると考えられていたが、今回の成果により、存在する可能性が確実になった。
隕石により破壊されている月面とは異なり、かつて月に磁場があった証拠や、月に取り込まれた揮発性物質などが見つかる可能性があり、科学的にも、将来の基地としても有用な発見であるという。
「地下空洞の存在を確実にした今回の成果は、科学的にも将来の月探査においても重要なものです。溶岩チューブのような地下空洞内部は、月の起源と進化の様々な課題を解決出来る場所であり、また月における基地建設として最適の場所だからです」(JAXA)。
今後は、レーダーサウンダーによる反射波データと他の観測データの相互関係や、地下空洞の反射波パターンのシミュレーション解析から、月の地下空洞の検出をさらに進めていくという。
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