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電子マネーで支払った経費はどのように経理処理する?

2017年11月07日 09時00分更新

 近年、急速に普及した電子マネー。交通費をはじめ、コンビニエンスストアや自動販売機などでも利用できるため、従業員が電子マネーで経費を支払うケースも増えていると思います。

 そこで今回は、電子マネーで支払われた経費の経理処理についてお伝えします。

電子マネーの種類

 電子マネーには、決済の方法により、プリペイド(前払い)方式とポストペイ(後払い)方式の二つの種類があります。

 プリペイド方式は、事前に現金でカード等に残高をチャージし、利用の都度に残高が減っていく方式です。

 ポストペイ方式は、クレジットカード機能等により、利用後に預金口座から引き落とされる方式です。

プリペイド方式の経費の経理処理方法

 電子マネーの中でも特に多く用いられているのはSuica、PASMO等プリペイド(前払い)方式のICカードだと思います。

 プリペイド方式の電子マネーの場合、原則としてICカードに現金をチャージしただけでは経費となりません。チャージした金額のうち、実際に使用した金額分のみが経費となります。

 経費の経理処理方法は、ICカードに現金をチャージした段階では仮払金等で処理し、実際に利用した段階で経費処理し、仮払金等を充当します。

 仕訳で表すと下記とおりになります。なお、消費税は無視します。

ⅰ)Suicaに現金を1万円チャージしたとき

(借方)仮払金10,000円(貸方)10,000円

ⅱ)実際にJRを利用し1,000円分利用したとき

(借方)旅費交通費1,000円(貸方)仮払金1,000円

ポストペイ(後払い)方式の経費の経理処理方法

 ポストペイ(後払い)方式の経費の経理処理方法は、QUICPay等電子マネーで購入した段階では、未払金等で処理し、預金口座で決済した段階で支払処理します。

 仕訳で表すと下記とおりになります。なお、消費税は無視します。

ⅰ)QUICPayで消耗品を1,000円購入したとき

(借方)消耗品費1,000円(貸方)未払金1,000円

ⅱ)預金口座で1,000円分決済したとき

(借方)未払金1,000円(貸方)普通預金1,000円

利用履歴を印字して確認を

 電子マネーを経理処理する時には、必ず利用履歴を印字して確認するようにします。

 適切な経理処理をするためだけでなく、税務調査時の資料としても役立ちます。

 Suica、PASMO等の利用履歴は、券売機や駅窓口などで印字することができます。

 また、カードの種類によっては、リーダーを用いてPC上で履歴を確認・印字することも可能です。

 適切な利用と経理処理を行えるよう、社内で電子マネーの利用ルールを決めて運用することをおすすめします。

福留 聡(ふくどめ さとし))

公認会計士・米国公認会計士・税理士・米国税理士 福留聡事務所代表

「慶應義塾大学商学部卒。監査法人トーマツ、あずさ監査法人勤務後、独立。主に上場企業の決算支援、IFRS導入支援、国際税務などを得意としている。著書に『7つのステップでわかる 税効果会計実務入門』(2014年10月税務経理協会)、『公認会計士・税理士・米国公認会計士・米国税理士 資格取得・就職・転職・開業ガイドブック』(2014年11月税務経理協会)、『経理業務を標準化する ワークシート活用ガイド』(共著、2013年10月、中央経済社)。また、(社)日本士業協会よりIFRS、日米税務等DVD36巻を刊行している。

※本記事は「ROBOTPAYMENT公式ブログ」に掲載されたものを転載しております。

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