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ヨーロッパ各国で使えるロンドン・ヒースロー空港のプリペイドSIM自販機最新情報

2017年10月19日 10時00分更新

 ロンドン名物と言えばヒースロー空港のプリペイドSIMの自動販売機。2017年7月からヨーロッパ各地ではプリペイドSIMの販売規制が強化されましたが、ここでは身分証明書不要、自販機でひとり何枚でもSIMを買うことができます。

 ローミング料金も撤廃になったいま、どんなSIMが売られているのでしょうか。2017年10月に最新の状況を探ってきました。

ターミナル3では大型自動販売機でヨーロッパ各地で使えるSIMが販売

 以前は小さな自動販売機が数台散見されていたヒースロー空港。前回は今年3月に訪問して実際にSIMを買ってみました

 今回訪れてみるとターミナル3(T3)にある自販機は小型のものがなくなり、大型のものだけになっていました。自販機にはイギリスのキャリア「EE」のロゴや色で飾られていましたが、これは広告なんでしょうね。

 中身は空港でSIMを販売している「SIMLocal」が扱うプリペイドSIMが売られています。ちなみに、入国審査を済ませ荷物を受け取ったすぐ後の場所にある自販機も、これと同じ大型のものに変わっています。

T3のプリペイドSIM自販機。EEの広告が大きく目立つ

 自販機で販売されているのは以下のSIMでした。それぞれ1ヵ月の無料データ利用ぶんとなります。音声通話は十分すぎる量なので省略します。

・3UK(30ポンド):12GB
・EE(20ポンド):10.5GB
・EE(25ポンド):13GB
・Lycamobile(25ポンド):6GB
・Lycamobile(35ポンド):15GB
・Lebara(25ポンド):1GB
・Lebara(20ポンド):1GB

自販機で売っているのは4社のSIM

 2017年7月のヨーロッパでのローミング料金撤廃で、各社のプリペイドSIMはデータ通信未利用分をそのままヨーロッパ各国で使えます。3UKのSIMは12GBが利用可能で、これをフランスやドイツ、スペインなどで使うことができます。

 前回のレポートではスペインで利用可能でしたが、当時は3UKがヨーロッパ共通ローミングサービスを提供していたからです。現在はヨーロッパ各国で12GBをそのまま使えます。

3UKのプリペイドSIM。12GBはヨーロッパ各国で共通利用可能

 EEのプリペイドSIMは2種類が売っています。以前は、イギリス以外での利用は別料金が必要でしたが、こちらもそのまま無料利用ぶんがヨーロッパ各国で使えます。その際は、SIMをスマートフォンに入れた後、電話番号150に「LHR10」と本文を書いたSMSを送って開通する必要があります。

 2種類のSIMはそれぞれ「500MB+イギリス10GBボーナス」「3GB+イギリス10GBボーナス」となっています。つまり、イギリスでは10.5GB、13GBが使えますが、ヨーロッパの他国で使えるのは500MB、3GBのみなのです。

EEのプリペイドSIMはイギリス国内10GBボーナス

 そして、Lycamobileはイギリス以外での利用にも対応しました。これまでローミング非対応だったので大きな進歩です。

 ただし、こちらもヨーロッパでの利用は若干制限があります。EEのようにボーナスぶんはイギリスで、という仕組みになっているのでしょう。15GBのうち5.75GB、あるいは6GBのうち3.75GBがヨーロッパで使えます。

Lycamobileは15GBと6GBの2種類を販売

Lebaraは国際通話無料ぶんの差で2タイプ。データは1GBだが3G接続のみ

 9月のIFA 2017取材時、ドイツではプリペイドSIMの購入にちょっと苦労しました。ヒースロー空港で乗り換えてヨーロッパに行く人は、自販機でサクっとプリペイドSIMを買って、それをほかの国で使うのもいいかもしれませんね。

 なお、自販機のプリペイドSIMの価格は、キャリアの店で直接買うより10ポンド程度高めです。空港料金ということでしょう。

 以前はT3にある売店「WHSmith」で定価に近いSIMを買うことできたのですが、いまは同店で売っているSIMもSIMLocal扱いとなり、自販機と料金が変わらなくなりました。空港でトランジットの時間しかない人は自販機で、街中に出る時間がある人は観光ついでにロンドン市内のキャリアの店でSIMを買うのがいいかも。

ターミナル2と4は3と同様の品ぞろえだが、4にはデータ専用SIMがある

 さて、ヒースロー空港のSIM自販機はT3の制限エリアとロビーにあるほかは、T1の制限エリア(荷物受け取り場所)にあるだけでした。しかし今回、ほかのターミナルを回ってみたところSIM自販機が増設されていました。

 まずは、ターミナル2(T2)。到着ロビーには自販機はないのですが、右側の出口を外に出て鉄道に乗るためのエスカレーターのあたり、駐車場のすぐ横にSIM自販機が新設されていました。品ぞろえはT3の自販機とほぼ同じです。

T2は外にプリペイドSIM自販機が新設されていた

 T2は自販機がなかったためか、WHSmithでのプリペイドSIMの取扱量はかなり多くなっています。昼間到着した場合はここで購入、夜遅いときは外に出て自販機で買う、というのがいいかも。

こちらはT2のWHSmith。プリペイドSIMコーナーが目立つ

 残りのターミナルにも行ってみましょう。ターミナル4(T4)へは今回初めて様子を見に行ったのですが、以前T3にあった小型タイプの自販機が到着ロビー3ヵ所に設置されていました。ここではT2、T3では扱っていないデータ専用プリペイドSIMも販売されています。

ターミナル5には自動販売機がないので、店舗で買おう

 最後はブリティッシュエアの拠点であるターミナル5(T5)へ。ここは残念ながらプリペイドSIM自販機の設置はなし。以前から自販機はなく、SIMLocalの店もあるからそこで買えばよしということでしょうか。

 ちなみに、すぐそばにはホテルの案内所がありそこでもプリペイドSIMを売っていますが、SIMLocalよりも5ポンドほど高めなので値段に注意したほうがよさそうです。

T4にある従来タイプの小型の自販機

T5にプリペイドSIM自販機が設置される日はくるのだろうか

 ところで、イギリスと言えばボーダフォンですが、自販機では販売されずSIMLocalの店での取り扱いとなります。ボーダフォンのプリペイドSIMもデータ利用分はヨーロッパの他国で利用可能と説明が書かれていますね。ヒースロー空港はヨーロッパでイチバンのプリペイドSIM天国、そう言えるかもしれません。

ボーダフォンもヨーロッパ各国でそのまま使える説明あり

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