高級カップヌードル新作
秋の味覚といえば松茸です。アスキーグルメでも「旬のグルメ特集 松茸編」という特集を組みました。あの独特の香りは、やはり秋の到来を感じさせる何かがあります。全国的にも気温が下がってきた地方が多いようで、温かい食べ物が恋しくなる季節でしょう。
今回は日清食品の「カップヌードル リッチ 松茸薫る濃厚きのこクリーム」を食べます。価格は248円。
カップヌードル誕生45周年記念商品として発売した「カップヌードル リッチ」は、贅沢なスープが特徴のプレミアムタイプのシリーズ。第1弾の「贅沢とろみフカヒレスープ味」(2016年発売)は、発売から1ヵ月で、販売累計600万食を突破するヒットを記録しています。第5弾はシリーズ初となる"洋風"仕立てです。
パルメザン、エメンタール、チェダーの、3種のチーズを加えた濃厚なホワイトクリームスープに、松茸の芳醇な薫りが特長の香味油を加えています。パッケージはカップを切り株に見立てたデザインで、シリーズのアイデンティティーという金の格子をあしらっています。
スープは濃厚だが、麺が惜しい
食べてみると、チーズのコクが効いたクリームスープが、確かに濃厚です。塩気がしっかりとありますが、「しょっぱ!」というほどではない。このあたりはカップヌードルリッチらしい、「カップヌードルだけど、ちょっと良い感じに仕立てたよ」的なバランス感覚が光ります。
松茸の香りは、それなりにあります。でも、松茸の香料の香りだなあ、という気もします。過大な期待は禁物かもしれません。一方、具材のエリンギとブロッコリーは良いチョイスですね。歯ごたえがあり、食感の違いを楽しめます。スープの味にも合っています。
味も、香りも、カップヌードルというよりは、スープパスタの感覚に近いかもしれません。クリーミーで濃厚なスープを、麺に絡めて食べる、そんな印象です。
惜しむらくは、麺がカップヌードルそのものであるところでしょうか。具材とスープにはこだわりを感じるものの、カップヌードル特有のやわらかくて切れやすい油揚げ麺が、ちょっと負けている気がするかも。
カップヌードルから派生した商品なので、麺まで特別にしろ、とまで言いたいわけではない。ただ、具材もスープも洋風でまとめているために、油揚げ麺の独特の食感と味が、全体から浮いてしまった感があるような……。
よくよく考えてみれば「カップヌードル史上最高級贅沢スープ」とうたっているわけで、確かにスープは濃厚、ちょっとリッチな特別感がある。具材もそこに調和するチョイスにした。そうなると、麺に物足りなさを感じるのは、仕方ないことかもしれません。
ただ、248円で、ちょっとこだわったカップヌードルにしました……という作り混み具合は確かです。破綻のないおいしさに、日清食品のプライドを感じます。「濃厚なスープのカップ麺が食べたい!」という人には、かなりオススメできるでしょう。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。髪型を坊主にしたため、プロフィール画像とまったく違う風貌になった。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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