「カールじゃん」東ハト菓子が話題
明治のスナック菓子「カール」が2017年8月の生産分をもって全国販売を中止したのは、記憶に新しいところでしょう。1968年にデビューして以来のベテランでしたが、現在は関西地域以西(滋賀県・京都府・奈良県・和歌山県以西)に販売が限定され、「カールチーズあじ」「カールうすあじ」のみになりました。
そういったわけで、関東を中心に「カールを食べたい、だけど売ってない」状況が発生。フリマアプリでカールが出品されるような事態もあったそうで、カールを失った人たちの心のスキマはまだまだ解消されていないかもしれません。
それはさておき、今回は東ハトの「ウラキャラコーン」を食べます。以前から発売されていた「チーズ味」が10月2日からリニューアル、さらに同日「カレー味」も発売となりました。いずれも実売130円前後。
ウラキャラコーンは、「キャラメルコーン」のふんわりサクサク感を活かしつつ、甘くないしょっぱい味に仕上げたもの。キャラメルコーンのバリエーションだと思って食べてみると、まったく甘くなくて驚いた、なんて人もいるそうです。
チーズ味はチェダーチーズとカマンベールチーズをブレンドした味わいが特徴。カレー味は数種類のスパイスとローストガーリックを効かせているそうです。
このウラキャラコーン、以前から「カールに似ている」とネットに話題になっていました。味も食感も近いそうで、もしかするとカールロス(ブラジルの方みたいになってしまいましたが)に悩む人たちへの救世主になるかも……そのあたりをチェックしてみましょう。
細かい差異はあれど、カールになかなか似ている
食べてみると、確かにカールに近い。特に食感ですね。歯ごたえはサクッとしつつ、口の中でペタッと溶ける感じが、かなり似ている。チーズ味は、チーズのコクがありつつ、濃すぎない。こってりしていないところは、ますますカールに近いです。
カレー味は、カレーそのものの味とはちょっと違う。「カレーの風味」といったニュアンスでしょうか。わりと大人しい。フライドガーリックの味もそれなりに控えめですね。
もちろん、カールとまるで同じかと言われればそうではない。ウラキャラコーンはやや固めで、噛んだあとはサラッとした食感があり、後味がやや強めに残る。このあたりはカールと似ているようで違います。味もまるきり一緒ではないのですが、食感のせいもあってか、「カールっぽいなあ」と思うと本当にそんなテイストに思えてくるのですよね。
ただ、筆者だけが「似ている!」と言い出すと、「俺の友達に○○にそっくりなやつがいる!」と言うので会ってみたら、あんまり似てないじゃん……みたいなシチュエーションになりかねない。そこで、アスキー編集部の“佐藤ま”こと佐藤正人さんにも食べてもらいました。
佐藤ま「あー、はい、確かにカールっぽいです。チーズ味もカレー味も似ていますね。もちろん、気をつけて食べ比べるとわかる違いもあるんですけど、『カールっぽい』感じはかなりします。自分としては、定番感のあるチーズ味が好きですね。カール味はもっとスパイシーだと良かった」
ウラキャラコーンとカール。確かにちょっとした差異はあります。三度の飯よりカールが好きなカールマニアにとっては、サイズ、食感の違いに、「これではない」と感じてしまうかもしれない。仲良くなった人に、昔の恋人の面影を重ねて、やっぱりあの人と同じではないんだと気付いてしまうような。全然違うかもしれないな。
そうはいっても、ウラキャラコーンは「カールのようなスナック菓子」としてはかなり有力候補であることは間違いないでしょう。カールに愛着を抱いている人の心をケアできる可能性があるだけでなく、今後の展開ではカールが持っていたシェアをゲットし、そのまま一大勢力になれそうな気もします。さしずめ「カール2世」といったところでしょうか。
ちなみに世界史において「カール2世」は何人も出てくるのですが、もっとも有名なのはシャルル2世として知られる、カロリング朝西フランク王国の初代国王でしょう。
875年、当時の皇帝ロドヴィコ2世が没すると、シャルル2世はイタリアに侵攻して同地を併合。イタリアを獲得したのみならず、教皇ヨハネス8世の支持を得て、同年のクリスマスに皇帝カール2世として戴冠を受けました。
ウラキャラコーンは、カール2世としてスナック菓子の覇権を握ることができるのか。そういった意味でも注目の製品といえます。もちろん、おやつやおつまみにもピッタリの、よくできたスナック菓子ですよ。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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