住民と参加者がともに楽しんだ女川エイドステーション
ライダーたちの出走を見送った後、女川町のエイドステーションを取材した。女川のエイドステーションは、震災後に新しく建てられた女川駅前を広く使って設置されていた。筆者が到着したころには、すでに何人ものライダーたちが到着しており、それぞれが食事をとったり談笑したりしながらくつろいでいる。ここでライダーたちに提供されたのは女川名物の「女川汁」。名産のサンマのすり身にネギ、豆腐を入れた料理だ。
女川エイドステーションでライダーたちを歓迎したのは、地元の方々やボランティアだけではない。なんと女川町長の須田善明氏まで駆けつけていた。須田町長は地元の主婦たちといっしょに旗を振って、到着するライダーをエイドステーション内に誘導している。彼が誰なのかを紹介されなければ、他のボランティアと見分けがつかないほどイベントに溶け込んでいる。ある地元の方に話を伺うと、「うちの町長はお祭りでもなんでも、いつも率先して働いてくれる。誰よりも働くよ!」と誇らしげに語った。
女川町に毎年訪れて町の成長を楽しもう
エイドステーションに到着する最後の集団を出迎えた後、女川駅前の道路を渡った先にある商店街を散策してみた。この商店街は女川駅舎と同様に、震災後に作られた新しいエリア。そのため軒を連ねるショップは近代的なデザインの飲食店やカフェ、お土産ショップが立ち並んでいて、まるで都心のショッピングモールのような印象を受ける。
しかし、ふと海岸に目を移すと、道路の先はバリケードで覆われている荒れ地が視界に飛び込んでくる。何台もの重機が並んでいる様子を見ると、まだまだ復興の最中だということが容易に想像がつく。いまきれいになっているのは女川駅から商店街までで、ここから先の海岸まで整備されるのは、あと数年かかかるだろう。
商店街を抜けて海岸に近づき、バリケード越しに海岸を見ると荒れた土地が見えてきた。震災発生から6年半経った現在でも、整備はまだまだこれから。とてもではないが、いい気分はしない。エンタメ系の現場を主戦場としている筆者にとって、いつもとは真逆の状況だ。でも今日は仕事。取材をせねば! 意を決して「ツール・ド・東北」のボランティアや、何人かの住民の方に話を伺って回った。話を聞いてみると、みんな生き生きとしているのが印象的だった。
女川町を散策して感じたことは、我々観光客は年にいちどの「ツール・ド・東北」でもいいので、定期的に女川町に足を運ぶことがイチバンの“応援”なんだということ。観光者は観光者らしく、新生女川町の成長を楽しみながら海産物をいただいたり、お土産を買ったりすればいい。
今回は自転車を輪行しなければいけないので見送ったのだが、次回訪れたらサンマの瓶詰めを爆買いしたいと思いました。もしも来年「ツール・ド・東北 2018」に参加できるならば、もっと巨大なバックパックで参戦します!(決意表明)
【イベント概要】
【大会名称】ツール・ド・東北 2017(英文名:Tour de Tohoku 2017)
【主催】株式会社河北新報社、ヤフー株式会社
【開催日時】2017年9月16日(土)、17日(日)
●9月16日
牡鹿半島チャレンジグループライド
奥松島グループライド&ハイキング
●9月17日
気仙沼フォンド
南三陸フォンド
北上フォンド
女川・雄勝フォンド
気仙沼ワンウェイフォンド
(取材費用の一部をヤフー株式会社が負担しています)
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