9月16~17日の2日間、東日本大震災の復興支援を目的に2013年から開催されている自転車イベント「ツール・ド・東北 2017」が開催された。開催5年目となる今回は、宮城県三陸沿岸のさまざまな地形を楽しめる7つのコースが企画された。
すべてのコースは順位を競い合うレースではなく、仲間とともに楽しく走るファンライド。コースはとてもバラエティー豊かで、自転車初心者でも走れるカンタンなコースから、上級者でも本気で走らなければならない起伏の激しいコースなどさまざま。
また、コースの途中には「エイドステーション」と呼ばれる休憩所が設けられていたり、コースによっては途中で震災復興伝承館などのスポットに立ち寄ることもある。ゴールを目指してただ走るイベントとは違い、ご当地グルメを食べたり復興の様子を見学しながら走るのが「ツール・ド・東北」という自転車イベントなのだ。というわけで、ASCII編集部も取材……というか出走してきたので、今回は初日の様子をレポートします!
「ツール・ド・東北」初参戦!
初心者歓迎のグループライドに挑戦
レポートに入る前に断っておきます。実は筆者は「ツール・ド・東北」初参戦どころか、この手のイベントに参加したことがありません! 当レポート記事は「そんな初心者ライダーでも楽しめるのか?」という検証記事を兼ねている旨ご理解いただければ幸いです。
大会初日、台風が直撃すると思われた石巻市は曇り空。台風の足が遅れてくれたため、今日はなんとか持ちそうな空模様。スタート地点である石巻専修大学に向かうと、すでに大勢の参加者が集まっていた。まずは受付で事前にエントリーした用紙を見せ、出走の登録を済ませた。
筆者がエントリーしたコースは「奥松島グループライド&ハイキング」。これは今年から新設されたコースで、自転車のライドだけでなく、途中でハイキングも楽しめるいっぷう変わったコース。走行距離は70kmだが、約5時間をかけてゆっくり走ってくれるそうなので、初心者でもなんとかなりそうな予感。
エントリーを済ませて集合場所に近づくと、筆者が出走するコースよりも先にスタートする「牡鹿半島チャレンジグループライド」のスタートが行なわれていた。こちらの走行距離は100kmなので、難易度は高そう。スタート地点に並んでいるライダーのみなさんを見ると、かなり走り込んでいるような面々だった。本当は見学していたかったのだが、自分の集合時間が近づいてしまったので、スタート地点からかなり後方に設けられた集合場所に向かった。
集合場所に行くと、すでに「奥松島グループライド&ハイキング」のグループ分けが行なわれていた。筆者が出走するコースは、12人ごとのグループに分けられ、数分おきにスタートするそうだ。グループ内の2人は「走行管理」と呼ばれるライダーで、今日1日我々の面倒をみてくれるボランティアだ。
彼らは事前にコースを試走しているため、先頭と最後尾を走って参加者をゴールまで導いてくれる。また、なにかトラブルがあったときの対処も彼らが担当。筆者のグループを担当してくださった走行管理ライダーはかなり自転車に乗っている方のようだったため、今日1日の安心は約束されたようなものだ。
9時50分のスタート時刻になると12人のグループが続々と出発していく。先頭グループの出走から20~30分したら、いよいよ筆者のグループのスタート。スタートラインで記念撮影の後、走行管理ライダーを先頭に出発! 沿道に立つ地元の方々に手を振りながら、石巻専修大学を後にした。
スタートからしばらくは石巻市の市街地を通るため、交通量が多い。一般車両に注意しながら一列になってゆっくり走っているため、イベント初参加の筆者は景色を楽しみながら走る余裕がない。そして約12kmほど走ったら、ひとつめのエイドステーション「蔵しっくパーク」に到着した。真剣に走っていたためか、とても12kmも走ったとは思えず、「えっ? もう休憩するの?」といった感じだった。
エイドステーションでは無料でドリンクがふるまわれていたので、ありがたくいただく。協賛メーカーのサントリーのブースでは、ものすごい量の「GREEN DA・KA・RA」と「サントリー天然水」が用意されていた。
しばらく休憩したら再出発し、交通量の多い道路をひたすら走る。自然の景観を楽しむのはまだ先だ。走行管理ライダーの「もう少ししたら車通りが少なくなるからね!」という言葉を信じて、ひたすらペダルを漕ぐ12人。景色を楽しむ余裕はないが、それでも石巻市の涼しい気候は東京よりかなり涼しいため気持ちがいい。かなり走っているはずなのに、ほんのちょっと汗をかいている程度だ。これだけでもライダーにとっては最高の贅沢である。
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