9月22日のiPhone 8の発売日には、大手3キャリアが発売イベントを開催しました。毎年恒例のイベントですが、今年はiPhone Xの発売を控えていることもあり、盛り上がりに欠けた印象です。
その中で存在感を放っていたのが、LTEに対応した「Apple Watch Series 3」と、サブブランドが取り扱いを発表した「iPhone 6s」です。
格安SIMユーザーにも気になるLTE対応の「Watch 3」
各キャリアの間で競争が勃発したのが、新型iPhoneが「最大で半額」になる新たな割賦販売プログラムです。9月13日にはソフトバンクが「半額サポート for iPhone」を発表すると、auも2日後には「アップグレードプログラムEX」をiPhoneに対応させ、同時に12ヶ月版の「同EX(a)」も発表しました。
ただ、KDDIやソフトバンクは今後の機種変更時に同一プログラムへの加入が必要(ドコモは任意)となっており、将来的な選択肢が減るのは注意したいところ。状況に応じて臨機応変にキャリアを乗り換えたい人は避けたほうがよいでしょう。
MVNOの利用もやや改善され、au版iPhone 8のSIMロックを解除せずにmineoのauプランを使うなど、ドコモ版では以前からできていたような、同一ネットワークのMVNO利用に対応しました(ただしmineoによればテザリングは不可)。
一方、シンプルで分かりやすかった「SIMフリーのiPhoneと格安SIM」という組み合わせは、LTE版「Apple Watch Series 3」の登場により、一筋縄ではいかなくなりました。iPhoneと電話番号を共有するには、大手3キャリアの回線が必要になるからです。
まだスマートウォッチでLTEを使いたくなるアプリは少なく、ハードウェアが先行した状態で、アーリーアダプター向けという印象です。それだけに、すでに格安SIMへ移行したアーリーアダプター層には悩ましい存在。10月にはApple Musicのストリーミングも始まる予定です。
ついにサブブランドが4.7インチのiPhoneを投入
大手キャリア間の競争が激化する中で、9月25日にはワイモバイルとUQモバイルが「iPhone 6s」を発表。これまで4インチのiPhone 5sやSEしかなかったサブブランドが、ついに4.7インチのメインストリーム機種を発売することになりました。
今回もまた、端末本体価格としてはアップルが販売するSIMフリー版より高いものの、毎月の割引により実質では安くなるという、絶妙な価格に設定されています。
詳しい人ならSIMフリー版と格安SIMを組み合わせることでもう少し安くなる可能性はあるものの、全国に広がるワイモバイルやUQモバイルの販売店においてワンストップで買えることはやはり魅力的です。
これまで筆者が個人的に「格安スマホのおすすめ」を聞かれた場合、ワイモバイルのiPhone SEを挙げることがほとんどでした。格安スマホに関心があるとはいっても、多くの人はミドルレンジのAndroidではなく、「iPhoneを安く持てること」を期待しているのが現実だからです。
たしかにiPhone 6sでは日本版Apple Payが使えず、最新のカメラ性能や新型iPhoneの機能を活かしたARアプリを楽しむことができません。しかしiOS 11は十分快適に動作し、サイズ感やデザインもiPhone 7や8とほぼ同じ。バラエティあふれる多くのケースも対応できます。
8やXを真っ先に買い求めるアーリーアダプターを除いた、ほとんどの人のためのiPhoneとして、これからはサブブランドのiPhone 6sをおすすめすることになりそうです。
誤解が生じにくいよう一部説明を追加しました。(9/29 18:30)
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