元気ドリンク味の謎を探る
食べ物の記事を書いていると、味の表現に悩むことがあります。
たとえば、しょうゆ味をうたうラーメンだったら、「しょうゆの味がする」と書けば読む人にはすぐわかります。むしろ「そんなのわかってるよ、だからどうなんだよ」と思われるかもしれません。しょうゆの味がする結果、おいしいのか、そうではないのかを伝えることが肝心になってきます。
これが「和風の味」をウリにした製品だったらどうでしょう。しょうゆと比べると、“和風”というフレーズはいささか抽象的です。そこで「しょうゆとかつお節が効いた、まさしく和風の味」などと書いて、読む人にどうにかわかりやすく伝えようと思ったりするわけです。
今回は「元気ドリンク」の味がテーマ。赤城乳業の「ガリガリ君元気ドリンク味」です。75円。
元気ドリンク味のアイスキャンディーの中に、ガリガリとした食感が特徴の元気ドリンク味のかき氷をいれたそうです。しかし、元気ドリンクなる単語はいささか抽象的です。なんとなく、ビタミンが入った炭酸栄養ドリンクを指すのではないかと察しは付きますが。
そういえば「モンスターハンター」シリーズに「元気ドリンコ」というアイテムがありました。あちらは落陽草とハチミツの調合で作れました(「モンスターハンター3」以降はハチミツとニトロダケ、もしくはトウガラシと眠魚で作れる)。
ここまで書いて、「星のカービィ」シリーズにも「元気ドリンク」という回復アイテムがあったことを思い出しました。いずれにしても、あまり関係ないと思われます。
栄養ドリンク製品に多く含まれているはちみつ、ビタミン、アミノ酸を配合。夏の疲れが出てくる時期に元気がみなぎるイメージを表現したそうです。パッケージではガリガリ君が栄養ドリンクっぽい茶色のビンから一気飲みしている絵柄もあるので、そういう飲料の風味を想定しているのでしょう。
そつのない、スッキリとした甘さに好感
さっそく食べました。「元気ドリンクのおかげで元気になりました~! しゅぽぽぽーん!」みたいなテンションになりたいところですが、確かに栄養ドリンクっぽい味だな、という感じです。
この「栄養ドリンクっぽい味」という表現も、大雑把かもしれません。それほど味が濃いわけではなく、「レッド・ブル」や「モンスターエナジー」などのそれではなくて、「オロナミンC」や「デカビタC」のそれといえば、わかりやすいでしょうか。
外側だけでなく、かき氷部分も“元気ドリンク味”になっているのですが、いずれもしつこくないさっぱりとした味で好感が持てます。味が濃すぎないのがポイントでしょう。人工甘味料を使っていますが、スッキリとした甘さで、エナジードリンクが苦手な人でもそれほどキツくはないと思います。
そつのない味はさすが赤城乳業。変に甘ったるくなかったり、ケミカル過ぎたりせず、バランスが良い。元気ドリンクが具体的に何を指すのか、筆者の中では未だに答えが見つかっていませんが、ともあれアイスバーとしての完成度は高いと感じました。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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