「MNP誘引」から「流出食い止め」へ
対「格安SIM」に本腰! KDDI田中社長にiPhone 8/X向け新施策の本音を聞く
アップルの「iPhone X」「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」や「Apple Watch Seies 3」の発表を機に、auはiPhone向けにも新料金プランや新保証制度などを発表しています。
新料金プラン「au ピタットプラン」「au フラットプラン」は、すでに同社のAndroid向けスマホに提供されていたプランで、ピタットプランはその月に使ったパケット通信量で料金が変動するムダが少なく、一方、フラットプランは月20GBもしくは30GBの大容量プランになっています。
これらのプランは7月14日から提供されており、8月27日時点で契約件数が100万件を突破したとリリースが出ています。
そこでiPhoneへの新プラン展開を発表した当時、iPhone発表会出席のため渡米していた同社の田中孝司社長に新プランや新製品に対する思惑などを聞いてみました。
「キャッシュバック戦争」時とはユーザーの趣向も変わった?
ひとりひとりの要望に応じられる料金プランを用意
──iPhone 8/8 Plus/Xが発表になりました。Xは11月発売とのことですが、価格など販売戦略はどのように進めていく方針でしょうか?
田中氏:戦略は難しいと言えば、難しい。いまは、キャッシュバックでどんな人でもハイエンドのiPhoneが買えていたときほど、端末の過剰な割引はしていません。そのため、iPhone Xと8/8 Plusの間の価格差はそこそこ出てくると思っています。
印象としては、ユーザーのみなさまもハイエンドに対してこだわらなくなってきているかと。「iPhone SE」のような小さい端末を好んで買う方もいらっしゃるし、自分の中で予算感をちゃんと持っていて「そんなにストレージなどもいらないし」と、容量の少ないモデルを買う方もいる。
昔はハイエンド端末を皆が欲しがっていました。まずは、最先端もの好きの方が常にハイエンド端末に買い換えて、そして、そうでない方もそんな人たちを見てハイエンド端末を好んで買っていた。iPhoneのユーザーは同質性が高かったです。
──では、そんな状況下で新料金プランを導入する意図を教えてください。
田中氏:誰もがハイエンドiPhoneを持っていたとき、料金プランを気にしなくてもよかった。フラットプランの先駆けのもの(LTEフラット)から、かけ放題プランの登場。そんなときに比べて、いまはユーザーの多様性のようなもの出てきています。
僕たちは「ピタットプラン」を提供すると同時に旧プランもまだ残しています。購入される方の層ごとに違う要件を満たしていかないといけない。正直に言えば、営業体制としてはプランは統一したほうが、会社的にはありがたいのですが、総務省からもユーザーへの説明はキチンと行なうように言われています。
マジョリティーの方は、基本的にプランは選べる方がいいと思われている。一方で、マイノリティーな意見としては「何が一番いいか言って」とおっしゃっていただくことがあります。
「ピタットプラン」を導入したとき、自分がどのぐらいのパケット量を毎月使っているかわからない人もいました。そんな人たちこそ、毎月使う量は変わっていました。そんな方にひとつのプランだけでそのユースケースを満たすのは難しいです。
ひとつのプロダクトとしてつらぬいていたiPhoneだって「Plus」という形で別の要望に答えられるようにしています。マルチなニーズに応える仕組みが必要不可欠だと思います。
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