ゲームのインストール先に選ぶとどのくらい変わるのか
以前のPCゲームは大きくても容量数GBというタイトルが多かったが、最近はゲーム全体の高画質化やボリュームアップが進んでおり、パッチまで含めると数十GBクラスはザラ、もっと大きなものでは100GBを超えるタイトルすらある。これだけサイズが大きいと、当然ながらシステムドライブにインストールするのは困難だ。こんな場合はデータドライブを増設してゲームをインストールせざるを得ないわけだが、SSDとHDDとで起動時間などに違いはあるのだろうか。
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク』でチェック
まずは定番のゲームベンチマーク『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク』から見ていこう。とはいっても、CPU、メモリー、グラボといったPCの基本スペックが変わらないので、ストレージを変えたところで当然ベンチマークスコアーはほぼ同じになる。ここで注目すべきポイントは、結果表示画面の左下に出る“ローティングタイム”だ。これは各テストを開始する時にかかったデータの読み出し時間のことで、実際のゲームでいえば、シーンの切り替わりやマップの移動などにあたる。つまり、ローディングタイムが短いほど待ち時間が少なく、快適なプレイ環境になると言えるわけだ。
ということで、『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク』をSSD、HDDの両方にコピーし、それぞれのドライブで実行した結果が以下のグラフとなる。なお、値は3回試したものの平均を採用している。
シーンごとに高速化の割合が違うが、これは合計データのサイズに差があるからだろう。データが大きく、ファイルが多くなるほど読み込みに時間がかかるようになるだけに、SSDが有利になる。
実際のゲームでも効果はあるのか試す
ベンチマークはゲームに近いテストとはいえ、あくまでベンチマーク。実際のゲームでも効果があるとは思うが、本当に快適になるかは試してみなければわからない。そこで、今度は人気のバトルロイヤルゲーム『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)でテストしてみた。
まず効果を感じたのは、ゲームの起動時間。デスクトップのショートカットをダブルクリックしてからロビーにキャラクターが表示され、操作できるようになるまでの時間で比べてみた結果が下のグラフだ。こちらも先ほどのベンチマークと同じく、3回の平均を採用している。
SSDのほうがHDDの約1.4倍速いという結果になった。ゲームの起動時はファイルの読み出しだけでなくCPUでの処理なども加わるだけに、純粋なストレージの性能差ほどの違いは出ない場合が多いが、それでも1.4倍というのはかなりの差だ。
なお、条件を揃えるため、PCを起動してから最初のゲーム起動にかかる時間で比べている。2回目以降はキャッシュの効果などで差は縮まる傾向があるものの、SSDのほうが速いというのは変わらない。
もうひとつPUBGで試したのが、ゲームを始めるときのマッチング完了から、集合場所が表示されるまでの時間比較。具体的にいうと、ロビー左上の「PLAY」を押し、マッチングが終了して画面が切り替わったところから集合場所で自キャラが表示されるまでの時間を比較している。マッチング完了からとしたのは、マッチングはサーバーやネットワークの影響が大きく、SSDやHDDとは関係がないためだ。
純粋なデータ読み出しに近い比較となるため、起動時間よりも差が大きく、SSDのほうが2倍近くも高速という結果になった。ゲームが始まってしまえばストレージの影響はほとんどないとはいえ、ゲームを開始するまでの差は意外と大きい。ゲームのデータサイズが大きいほど、マップ移動などで読み出しの機会が増えるほどこの差は大きくなっていくだろう。それだけに、「データ用のドライブならHDD」と決めてかからず、大容量SSDも検討していきたいところだ。
協力:サンディスク株式会社
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