エレファンテック(旧AgIC)は9月7日、産業用フレキシブル基板「P-Flex」の生産量を現在の50倍程度まで拡大するため、近日中に新工場を建設すると発表した。さらに、顧客対応組織の拡大に加え、研究人員・設備の拡充。P-Flexの性能向上、バリエーション拡大を加速する。
2014年にAgICとして創業してから、「印刷による電子回路製造技術により、電子回路のコストを劇的に下げる」ことを目指して開発してきたが、初期段階では産業用の電子回路としては耐久性や解像度などが不足していたため、主に教育用途などでの展開をしていた。
その後2017年に入り、高速無電解銅めっき制御技術を始めとするいくつかの技術革新によって、産業用途にも利用可能なフレキシブル基板製造技術を実用化。製品名をP-Flexとして産業用途での出荷を開始した。
P-Flexの利点は、製造プロセスに「型」「版」が必要ないことだという。開発、量産試作、量産、量産後の図面のアップデートに必要だった型代とリードタイムを削減し、プロダクトライフサイクル全体でのコスト・リードタイムを圧縮することが可能となる。
今後、生産能力の拡充とともに、基材や銅の厚みのバリエーションの増加、最小パターン幅/間隔の向上、両面ビアホール対応など、随時性能を向上していく予定だという。
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