今日は湖池屋の「KOIKEYA PRIDE POTATO」シリーズの新商品を食べます。FRIEDではありません。PRIDEです。
湖池屋のポテトチップスの元祖は、1962年に発売された「コイケヤポテトチップス のり塩」。1962年といえば、ビートルズがレコードデビューし、王貞治さんが一本足打法を始めた年です。歴史がありますねえ。
2016年10月にはコーポレートブランドの統合を実施し、創業の原点である「株式会社湖池屋」として新たな一歩を踏み出すことに。その意気込みともいえるのがKOIKEYA PRIDE POTATOシリーズです。
100%日本産じゃがいものみを使用し、まるで料理をつくるように素材と技法にこだわり抜いた前作「秘伝濃厚のり塩」「松茸香る極みだし塩」「魅惑の炙り和牛」の3種類で、老舗のPRIDEを見せつけたのは記憶にあたらしいところ。魅惑の炙り和牛と松茸香る極みだし塩は品薄になるほど人気でした。
前置きが長くなりました。今回は、手作業でじっくり丁寧に揚げていた創業当時のポテトチップスの食感を追求したという「手揚食感 長崎平釜の塩」「手揚食感 柚子香るぶどう山椒」を食べます。価格は160円前後。
まずは、長崎平釜の塩。平釜で炊き上げた長崎県産の塩と、上品な国産まぐろ節の旨味により、じゃがいもの味が噛むたびに際立つといいます。袋を開けると、確かに魚介の香りがします。
味は……地味です。いや、貶しているわけではない。確かに噛むたびにまぐろ節の旨味がありますし(後味にも感じられる)、塩気も効きすぎていません。食べ飽きない味といえます。ただ、パンチには欠けるかもしれない。お行儀が良いのですね。
人に例えると、第一印象で「普通じゃないかな?」と思ったものの、一緒にご飯を食べたり遊んだりすると「なんだか良い人だな……」と感じるタイプ、みたいな。伝わるかな、これ。
続いては、柚子香るぶどう山椒。食欲をそそる高知県産の柚子皮と、和歌山県産ぶどう山椒の風味が決め手だそう。袋を開けると目の覚めるような山椒の香りです。
口に入れると山椒が口いっぱいに広がり、柚子の匂いもしっかりとある。とはいえ、じゃがいもの風味が損なわれるほどではない。かなり斬新というか、他ではない雰囲気。長崎平釜の塩と比較すると、どちらかといえば、これを「おいしい」と感じる人がいそうです。インパクトが大きいのですね。
さてさて「手揚食感」と名付けるほどのウリである食感は、特別パリパリしているわけではない。少し小さめのサイズが特徴といえば特徴でしょうか。味わいを邪魔しないように、と配慮したのかもしれません。家電担当の盛田さんは「町のおせんべい屋さんでありそうな感じ」と言っていました。つつましい不揃い感といえばわかりやすいかしら。
華やかな香りで明らかに「違う!」とわかる柚子香るぶどう山椒は人気が出るのではないでしょうか。一方、塩とまぐろ節だけで勝負した長崎平釜の塩はちょっと割を食っている気もします。十分においしいとは思うのですが。
とにかく、渋いです。味が渋いのではなく、手間ひまかけて開発されたのだろうな、しかしそれを開けっぴろげにはしないのだな、ということ。違いがわかる大人のポテトチップス。そんな感じでした。地味にウマい。ちょっと良い酒を飲むときのおつまみにどうぞ。
コジマ
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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