グーグルのVRプラットフォーム「Daydream」にも対応
動画撮影&オーディオ好き必見! 18対9の縦長スマホ「LG V30」実機レポ
LGはIFA 2017会期前日の8月30日に新製品発表会を開催し、フラグシップモデル「LG V30」を発表しました。
明るいレンズの搭載によりカメラ機能を大きく強化。オーディオ性能にも優れ、新しいユーザーインターフェース「Floating Bar」も搭載しています。
LGのフラグシップモデルは毎年春に発表される「LG Gシリーズ」と、秋に発表される「LG Vシリーズ」の2つのラインナップが存在します。
IFA 2017に合わせて発表されたV30は、Vシリーズとして3世代目となるモデルです。Gシリーズが新しい機能やテクノロジーを積極的に採用する先駆者的なモデルであるのに対し、Vシリーズはハイスペックかつ使いやすい機能を搭載した製品。V30も過去のVシリーズにはない新しい機能が加わっています。
18対9の高精細ディスプレーとクアッドDACを搭載
V30はCPUにSnapdragon 835を搭載。メモリーは4GB、ストレージは64GBと、ハイスペックモデルと言える構成。派生モデルとしてストレージ容量が128GBの「V30+」も登場します。
ディスプレーは6型で解像度は2880×1440ドット。アスペクト比は18対9。本体のサイズは151.7×75.4×7.4mm。今年春発売のフラグシップ機「G6」は5.7型で同解像度のディスプレーを搭載し148.9×71.9×7.9mmというサイズでした。V30は0.3インチディスプレーが大きくなったことで縦横のサイズは増えていますが、本体の厚みは逆に0.5mm減少しています。
LGのモバイルコミュニケーションカンパニーのJuno Choプレジデントは「画面サイズの大型化と本体の薄型化を両立した」と、大画面モデルながらも片手で持てるサイズを大きくアピールしました。
V30はスマホとしての基本的なスペックを高めただけではなく、カメラやAV機能も強化されています。本体背面に搭載するデュアルカメラの片側は1600万画素F1.6と非常に明るいものを採用。
これはプラスチックではなくガラス製のレンズを組み込んだレンズユニットにより実現したとのこと。この明るいカメラの搭載により、静止画だけではなく動画もよりクリアな映像の撮影が可能になるほか、新しい機能も加わっています。
また、音楽再生面ではクアッドDACの採用により、従来モデルより高音質な再生に対応。音質のデジタルフィルターも3種類搭載するなど、ハイエンドのデジタルオーディオデバイスに匹敵する機能を有しています。そして、付属するヘッドフォンは高級オーディオメーカーのB&O PLAYブランドの製品です。
カメラはデュアル仕様で、標準カメラのレンズの明るさはF1.6
V30の本体を正面から見ると、上下左右、ベゼル一杯にまで表示面が広がっています。18対9というアスペクト比から、他社製品と比べるとやや縦に長い印象を受けますね。
展示モデルは日本語ロケールを搭載していたので、以下の写真は日本語表示としています。ただし、発表会では販売国についてのアナウンスは一切ありませんでした。
本体背面には1600万画素・F1.6の標準カメラと、1300万画素・F1.9の広角カメラが並びます。その下には電源ボタンを兼ねる指紋認証センサーを内蔵。さらに、B&Oのロゴがアクセントとして配置されています。
背面の表面は光沢があるものの、細かい溝を入れており完全な光沢ではなく、やや落ち着いた輝きを見せます。
本体右側面にはSIMスロットを備えます。左側はボリュームボタンのみ。電源兼指紋センサーが背面に移動したため、側面のボタン類は最小限となっています。
展示モデルはシングルSIMモデルでした。SIMトレイはnano SIMカード+microSDカード(256GBまで対応)の構成。
展示員によると、DSDS対応のデュアルSIMモデルの投入は不明とのことでした。なお、V30はIP68の防水防塵対応。そのため、SIMトレイを抜くと、防水機能に対しての警告が表示されます。
本体断面は角のRのカーブが大きく、本体を手荷物と手の平にしっかりとフィットする印象を受けます。
3.5mmのヘッドフォンジャックは本体上部に配置。本体の下部側にはUSB Type-C端子とスピーカーが並びます。
本体のカラーバリエーションはAurora Black、Cloud Silver、Moroccan Blue、Lavender Violetの4色が用意される。販売国により投入される色は異なるとのこと。
キレイな外観ながらMIL規格に対応
プロふうの動画撮影ができる「Cine Video」機能を搭載
全体の操作感は高速なCPUを使っているため快適で、ストレスは感じられません。ディスプレー表面はゴリラガラス5におおわれており、MILスペック(MIL-STD-810G)にも対応するため、多少ラフに扱うことも想定されているようです。
本体内部にはサーマルパイプや熱伝導パッドが組み込まれているので、長時間のゲームプレイ時も発熱を押さえることができるそうです。そして、片手で持てる大きさながらも6型という大型ディスプレーは快適なユーザー体験を与えてくれます。
さて、カメラ周りでは動画撮影時の機能強化が大きく目立ちます。カメラのモードから「Cine Video」を選択すると、より高度な動画撮影が可能になるのです。
そのひとつが多彩な撮影モードで、セピアやモノクロといったエフェクトを、動画にもリアルタイムでかけることができるのです。
ロマンチックやドキュメンタリーといった、プロっぽい仕上がりの撮影ができるモードも用意されているので、本格的な動画をV30だけで仕上げられそうです。
もうひとつの便利な機能がPoint Zoomです。動画撮影中に一部分を拡大したい時、画面をピンチしたりボリュームボタンを押す必要がありますが、やってみるとスムースにズーム操作を行うことはかなり困難です。
しかし、Point Zoomならば、画面の中のズームしたい場所をタップした後、右側にあるスライドバーを指先でスライドさせるだけで、目的の部分を画面の中央に移動させながらスムースにズーミングしてくれるのです。その動きはまるでプロのビデオカメラのよう。動画撮影がより楽しくなる機能です。
なお、そのほかの機能として、グーグルのVRプラットフォーム「Daydream」に対応します。発表会ではグーグル関係者がDaydreamの日本と韓国への投入をアナウンスしましたが、このV30が同時に登場するかは不明です。
大型ディスプレーを搭載しながらも片手でもて、カメラ機能も性能アップしたV30、日本市場への投入を期待したいものです。
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