シューマン:《リーダークライス》《女の愛と生涯》/ベルク:初期の7つの歌
ドロテア・レシュマン、内田光子
第59回グラミー賞「最優秀クラシック・ヴォーカル・アルバム(ソロ)」を受賞したアルバムのハイレゾ版シューマン、ベルクの愛をテーマにした曲集だ。内田の伴奏アルバムとしては、かつてイギリスのテノール、イアン・ボストリッジとのシューベルト《美しき水車小屋の娘》録音が名盤の誉れ高い。歌曲伴奏はそれ以来、12年ぶりだ。
2015年5月、ロンドン・ウィグモアホールでのリサイタルのライヴ収録だが、歌唱とピアノは、音場センターに慎ましく定位。透明感の高い、すっきりと伸びるレシュマンの歌唱に、しなやかに、そして情感豊かに添う内田光子のピアノは音響的に好適なバランスを聴かせる。レシュマンのヴィブラートがすがすがしくも、空間に輝きと色彩感を与え、美しく消え行く響きが上質だ。内田のビアノは伴奏の域を超え、シューマンの深遠な精神世界を投影し、聴く者をその世界に誘う。録音会場の上質な響きの中で、しかし、歌とピアノの音像はひじょうにクリヤーだ。ライブにしては珍しいほどの高音質。
FLAC:96kHz/24bit
Decca
TAEKO ONUKI meets AKIRA SENJU symphonic concert 2016
大貫妙子
2016年12月22日に東京芸術劇場にて開催された、ソロデビュー40周年プロジェクトライブと同じ、千住明の編曲・指揮と東京ニューシティ管弦楽団の演奏にて事前に録音された。第1曲「Overture(instrumental)」は雄大な、そして悠々と大河のように流れる音のストリーム。オーケストラの広がりと奥行きが、実にゆったりとして心地よい。フューチャーされる楽器の立ち方もよい
第2曲「光のカーニバル」はラブリーで、優しく、清潔なグロッシーさが麗しい大貫節。大編成のオーケストラの中でも音像的に埋没せず、センター位置に大きなヴォーカル像を形成している。輪郭がしっかりとし、立体的に造形が確実なイメージであり、バックのオーケストラとのバランスが良い。第3曲「アフリカ動物パズル~メイン・テーマinstrumental)」の豊かで厚く、でも細部まで見晴らしのよいオーケストラサウンドも耳の快感。
WAV:96kHz/24bit、FLAC:96kHz/24bit
ポニーキャニオン
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