●デメリットは「料理ができないと使いこなせない」
ホットクックも、煮込み自慢も、実は
「ふつうの鍋でもだいたい料理ができる人」
でないと、いきなり使うのはちょっとハードルが高いかと思います。ほとんどの料理本にあるような
・強火で何分
・煮込んで何分
といった使い方が難しいため、自分で温度をイメージして調整したり、ホットクックですと類似の自動メニューを探さないといけないためです。
どうも、この辺、メーカーのコンセプトが難しいところで
・料理初心者が火加減を気にせずに、付属のレシピ通りに作ればだいたい平均的な料理が作れる
というのを目指しているのか
・バーミキュラなどの鋳物ホーロー鍋や、フィスラーなどの圧力鍋をすでに使いこなしている人が、より素材の味を引き出す、繊細な火加減の料理を目指して自動調理器を買う
ということを目指しているのか、どうもそこが両天秤になっていて、バランスが難しくなっています。
もちろん、前者の付属のレシピ通りだったら、なんとか作れる、という人も、結構私の周りにはいて、独身男性がこれまで外食ばかりだったのが、家で作ることができるようになったと喜んでいました。
問題は、それだと、あまり応用が利かないことなのです。
一方、ある程度料理が作れる人が、これらの自動調理器を手に入れると、もう、楽しくてしかたないと思います。
私は、ホットクックも煮込み自慢も、付属のレシピは参考程度に見ますが、ほとんど従ったことがありません。なぜなら、せっかくの無水調理なのに、もったいないくらい、
・酒、みりん
・だし
・砂糖
などを入れるためです。
メーカーによると「調味料はお好みで調整いただいて結構です。酒とみりんは入れない分、食材の水分で補うか、ふつうの水に代替ください」とのことですが、この鍋たち、原則として「蒸発」しないため、酒やみりんを使うと、むちゃくちゃ残るのです。
また、砂糖についても、無水や減水、低温でじっくりと野菜や肉のうまみを引き出してあげれば、まったく不要です。
例えば私は、豚の角煮を、
・下ゆでなし
・豚バラ肉に肉の半量程度の水と、それに合わせて肉250gごとに大さじ1杯のしょうゆ
を入れるだけで、作っています。なので、豚バラが500gあれば、数センチ角に切って、そこに250ccの水を入れて、大さじ2杯のしょうゆを入れて、あとはホットクックの「豚の角煮メニュー」を押すだけです。
ホットクックユーザーはだまされたと思ってやってみてほしいのですが、びっくりするくらい、おいしいです。
煮込み自慢で肉じゃがを作るときには、付属のレシピでは煮汁にいれて圧力調理をしますが、これも無視して、付属の蒸しカゴに肉じゃがの材料を入れて、12分ほど蒸してみてください。
そして、蒸し上がったじゃがいも・にんじん・たまねぎ・お肉に倍くらいに水で薄めたしょうゆをまぶすだけで、こちらもおどろくほど、おいしい肉じゃがのできあがりです。
ホットクックのミートソースのレシピも、ケチャップやコンソメやローリエやにんにくなど、いろいろ入れることになっていますが、私はまったく入れていません。その代わり、トマトを水煮ではなく、生トマトを使って、粗く切って入れています。
レシピではタマネギとニンジンを1/2個ずつしかいれませんが、どちらも景気よく、1個ずつみじん切りにして入れます。
そうすると、あいびき・タマネギ・ニンジン・トマトそして塩だけで、驚くほどおいしいミートソースのできあがりです。
キーマカレーや無水カレーもよく作りますが、このときも、カレールーではなく、カレー粉しか入れません。野菜や肉のおいしさを損なわないようにするためです。
とにかく、うちは無水調理ができる自動調理器が常備されるようになってから、驚くほど、野菜を食べる量が増えました。トマトなどは、いつもスーパーで「箱買い」しています。ナスも、タマネギも、ニンジンも、ジャガイモも、サツマイモも、キノコ類も、ズッキーニも、パプリカも、とにかく、
「野菜の水分だけで作る料理がこんなにおいしいのか」
ということに目覚めました。もともと、野菜にはうまみ成分がたっぷり入っていますし、どんなお水よりもおいしいピュアな水分で満たされています。それを使って調理をすればいいわけです。
そして、自動調理器でできるのは、無水調理だけではありません。
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