ASUSが8月17日、台湾・台北で「ZenFone 4」を発表しました。筆者も夏休みのアジア旅行の一部に組み込み、台北まで行ってきました。
すでに複数のレポートが上がっているように、合計5機種のZenFone 4シリーズが登場。発表会自体も異様な盛り上がりを見せたものの、「他社を圧倒するような新機軸はなかった」というのが筆者の印象です。
アジアの若者を意識した発表会
発表会の主役となったのはZenFone 4ではなく、韓国スターのコン・ユさんでした。追っかけのファンは炎天下の台北で行列を作り、野外のパブリックビューイング会場を埋め尽くし、大歓声を上げていました。
筆者も女性ファンのひとりにスマホを手渡され、記念撮影を頼まれたのですが、そのカメラアプリではしっかりと「ビューティーモード」がオンになっていました。
追っかけファンは俳優が目当てであって、ZenFoneに直接的な関心はないともいえます。しかしフロントにデュアルカメラを搭載し、ライブ動画にも対応したビューティーモードを備えるZenFone 4 Selfieは、こうした層に刺さる端末といえるでしょう。
会場内でもアジア各国から集まったブロガーやYouTuberが各自のスマホでイベントを中継しつつ、その場で実況も加えるなど、カオスな雰囲気となっていました。
文章と写真でレポートする筆者としては静かにしてもらったほうがありがたいのですが、それと同時に、現地に乗り込んでアジア勢に対抗する日本の若いブロガーやYouTuberはいないのか、という点が気になるイベントにもなりました。
韓国スターを起用したプロモーションは台湾と香港、若者の多いインドネシアやマレーシアなど東南アジアが対象となっており、日本での発売時にはまた違った展開になりそうです。
他メーカーにはない新機軸を打ち出せるか
では端末はどうだったというと、総じてレベルの高い端末に仕上がっている印象はあるものの、気になる点もいくつかあります。
たとえばZenFone 4 Selfieは「3スロット」に対応し、2枚のSIMとmicroSDを同時に使えますが、従来通りの2スロット仕様の機種も混在しています。デュアルカメラの配置やヘッドフォンジャックの位置も異なるなど、端末デザインに統一感がありません。
ZenFone 4という製品名が、2014年に登場した4インチ画面の「ZenFone 4」とかぶっていることも、些細なこととはいえ重要です。名前の混乱はブランディングに悪影響を及ぼし、製品戦略の迷いを示唆しています。このままでは次の「ZenFone 5」にも同様の問題が起きるでしょう。
スマホ市場全体を見れば、ディスプレイを中心に本体デザインは大きく変わろうとしており、新機能として「AI」が注目を浴びています。しかしASUSはようやくデュアルカメラで追いついたという印象で、後追い感は否めません。
オーソドックスな形状の薄型軽量スマホという点では、日に日に競争が激化しています。今回、筆者は台北以外にも中国の北京、深セン、上海を訪れたのですが、スマホの広告はOPPOが大半を占めていました。
ZenFone 4が安定した進化を遂げたことは分かったので、次のASUSには他社をリードするような新機軸を期待したいところです。
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