2017年8月10日、AMDはZenアーキテクチャーのエンスージアスト向けCPU「Ryzen Threadripper」の発売を開始した。今回市場に投入された「Ryzen Threadripper 1950X」は16コア32スレッドで999ドル、「同1920X」は12コア24スレッドで799ドル。特に最上位の1950Xは現時点でのインテルの最上位モデル「Core i9-7900X」と(ドルベースの)同価格でありながら、マルチスレッド性能が最大38%高いことを武器にしている。
残念ながら国内流通価格は謎の自作為替レート換算が働き、1950Xが税込15万7464円、1920Xが税込12万5064円と、やや高く設定されてしまった。ライバルとなるCore i9-7900Xの初値が税込約12万5000円前後(原稿執筆時点の実売価格は11万6000円前後)であるため、Ryzen Threadripperの武器のひとつである“価格の安さ”を捨て、割高な価格設定で勝負するというハンデ戦を強いられることになった。8月31日には8コア16スレッドの「Ryzen Threadripper 1900X」も549ドルで発売される予定だが、1900Xの国内価格については明らかにされていない。
今回は、豪華なトランクに入ったRyzen Threadripper評価用キットをテストする機会に恵まれた。果たしてAMDの主張する“(米ドルで)同価格なのに安くて速い”は本当なのか? 価格的なハンデを負った国内市場で存在感をアピールできるのか? さまざまなベンチマークを通じて検証していきたい。
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