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18万台のレグザから算出した、テレビアニメ視聴履歴の真実

恒例のアニメ視聴分析、2017年冬・春は324枚のグラフを掲載

2017年08月11日 18時00分更新

 東芝映像ソリューションが各クールごとに集計している「アニメ視聴分析」の最新結果が8月10日に公開となった。レグザクラウドサービス「TimeOn」のブログで確認できる。

 レグザを使用しているユーザーの「録画予約」履歴や「視聴ログ」をもとに、作品ごとの「予約率」や「再生率」、そして「ライブ率」(放送をリアルタイムに観たかどうか)を計測、これをさらに統計的に分析して「接触率」と呼ばれる独自の基準を算出している。

 2017年冬アニメ(1~3月期)、2017年春アニメ(4~6月期)の結果を個別に調査したもの。昨年の夏から合わせて5クール目の集計となる。調査内容は毎回進化しているが、今回は前回の調査から始めた「ファン層分析」を「作品固有ファン層分布」としてより深堀りしたこと。

 関東18万台(春)/15万台(冬)と大量の母集団から算出した数字のため、数%の誤差でも正確な結果が得られる点が特徴だ。

夕方枠はやはり強いが、進撃の巨人の再生率も高い

 実際に見た人の数が多かった作品は、平均ライブ率+再生率ランキングから分かる。これは各話平均のライブ率(オンエアを見た割合)と再生率(録画した番組を見た割合)の合計だ。

 2017年冬アニメでは「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(4.07%)、「3月のライオン」(3.39%)、「青の祓魔師 京都不浄王篇」(2.74%)、「銀魂 新シリーズ」(2.53%)、「クズの本懐」(2.50%)がトップ5に。

 2017年春アニメでは、「僕のヒーローアカデミア」(4.65%)、「進撃の巨人 Season 2」(3.96%)、「ベルセルク」(2.28%)、「冴えない彼女の育て方♭」(2.19%)、「境界のRINNE」(2.19%)、「弱虫ペダル NEW GENERATION」(2.00%)がトップ5となった。

 調査では「残留率」として、1話から最終話まで予約数や視聴数がどう推移したかも調べている。一般的には初回が最も多く、徐々に下がっていくものが多いが、人気作品では予約数や視聴数が上昇傾向を見せる場合もある。また回によって大きく上下する作品もある。

夕方枠はやはり強いが、進撃の巨人の再生率も高い

 さらに冬アニメ40作品、春アニメ38作品個別の視聴傾向分析も公開。特に注目したいのは、作品固有のファン層を示す分布を掲載している点だ。縦軸にリフト値、横軸に接触率を置いている。

3月のライオンの作品固有ファン層分布

 リフト値とは簡単に言えば、作品との親和性の高さを示す指標だ。

 まず「特定の作品A」を最後まで観た人の集合と、(作品を問わず)大人アニメのいずれかを最後まで観た人の集合を作る。「最後まで観た」の定義は、最終4話のうち3話は観ただ。

 このとき、特定作品Aのファンが一緒に観ていた「作品B」の接触率に注目。大人アニメファン全体の接触率を基準として、その数字にどのぐらい差があるかを示す。

リフト値の算出。一般の大人アニメファンを基準にしながら、特定作品のファンの中での親和性を見る

 具体的には【リフト値】=【作品Aのファン集合における作品Bの接触率】÷【大人アニメファンの全体集合における作品Bの接触率】で、値が1よりも大きければ「親和性が高い」作品、1よりも小さければ「親和性が低い」作品となる。

 たとえば、三月のライオンを最後まで見た人の集合に限定して「昭和元禄落語心中」の接触率を調べると、大人アニメファン全体の集合よりも1.65倍数値が大きいことが分かった。この「〇〇倍大きい」がリフト値になる。

 (三月のライオンの)特定ファン集合の中で、昭和元禄落語心中の接触率は22%ほど。機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズや青の祓魔師は、25~30%を超す。単純な接触率の比較では、昭和元禄落語心中のほうが低いが、オルフェンズ/青の祓魔師のリフト値はともに1.0前後で、大人アニメファン全体の集合と大きな差がない。

 つまり、この2作品の接触率は高いが、三月のライオンのファンだけでなく、アニメファンならとりあえず押さえておくべき作品だったと分かるわけだ。TimeOnチームでは、この分析を全作品に対して実施して、いくつかの特徴的な内容に気付いたという。

2017年1~3月アニメをまとめた「Vol.4」

2017年4~5月アニメをまとめた「Vol.5」

 その内容に関しては、TimeOnチームが「アニメ視聴ログ分析ギルド」の名義で毎回発行している同人誌『アニメの見られ方』にも掲載する予定。8月12日(土)の夏コミC92で頒布予定のほか、Vol.3に引き続き、委託販売も実施する予定とのこと。

 編集部では「アニメの見られ方」の内容に踏み込んだ独自取材も実施。後日掲載する予定なので、お楽しみに。

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