RPA(Robotic Process Automation)ベンチャー
4番手はBizteX代表の嶋田光敏氏。サービスは、社内の定例業務を誰でも簡単に自動化するクラウド型RPA「cobit」だ。RPA(Robotic Process Automation)とは、ルールベースの定例業務をデジタルロボットに記憶させて、人の代わりに働かせるというもの。業務速度の向上やミスの削減というメリットが得られる。
画面上で行なう作業だけで、定例の操作を「cobit」に記録できる。UIも誰でも使えるように作られており、付加価値の低い単純作業から人を解放してくれる。そのぶん、人は創造的な仕事ができるというわけだ。たとえば、営業部での利用の場合、作業時間が減ることで訪問件数が上がり、受注件数も上がるという。
月額課金プラスロボットの稼働に応じた従量課金で提供していく。7月20日にクローズドβを公開したばかりだが、すでに100件近くの企業から問い合わせが来ているという。
優勝を獲得したカーパーツ専門マーケットプレイス
5番手は「MiddleField」の代表中山翔太氏。近年、日本での自動車普及台数は横ばいになっているが、世界を見ると12億台を突破し、まだまだ巨大な産業だという。中山氏が、自動車産業界で見落とされている最後のブルーオーシャンというのが、「日本のカーパーツ業界」。日本のカー用品市場だけでも1.2兆円と大きく、ニッチな産業ではないのだ。
現在でも、カーパーツはネットで販売されているのだが、車種から探せないし、取り付けられるかどうかもわからない。カー用品店だと、ニッチな製品は取り扱っていない。そこで日本初となるカーパーツ専門のオンラインマーケットプレイス「Garage」をリリースした。イチからデータベースを作成し、商品の情報収集から購入、取り付けまでのすべてのフローを行なえるようになっている。
マネタイズは販売手数料が20~30%と月額の広告料とシンプル。ローンチ後4ヵ月だが、契約ブランド数が100社、商品登録数が1万2000点を突破している。
医療者向けメッセージサービス
6番手は「株式会社シェアメディカル」のCEO峯啓真氏。サービスは医療用のメッセージングツール「MediLine」で、峯氏は「一言で説明できます、医療者のLINEです」と笑いを取った。「MediLine」は4月にリリースされ、すでに現在60施設1000人が利用している。
医療用のツールは操作方法が難しいものが多いが、「MediLine」は誰でも使えるUIになっている。とは言え、AES-256bitの暗号化機能を備えており、データはしっかり守られているそう。
「メディラインTalk」という機能では、留守番電話に残した音声のメッセージが自動的にテキストに起こされて、「MediLine」に送信されるデモが行なわれた。
理系学生の研究データベース
最後に登壇したのは、POLのCEO加茂倫明氏。POLが手がけるのは、「LabBase」というサービス。理系の採用を革新する、理系学生の研究データベースというキャッチコピーだ。加茂氏も現役の東大生で、今は3回目の2年生。「理系学生の就活」に関する問題を解決すべく、起業したそう。
理系学生は、忙しいゆえに狭いコミュニティーで就職を決めてしまう傾向にあり、推薦と紹介で7割が決まってしまうと言う。そこがもったいないという想いから、理系学生の研究内容やスキルをデータベース化して、企業が採用活動に利用できるSaaSをリリースした。
全国にインターンを中心とした100名ほどのネットワークを持っており、研究室に訪問して学生にサービスの魅力やビジョンを直接紹介しているのが強み。ほかにも、キャンパス内でイベントをしたり、理系学生向けメディアも運営して送客している。その結果、サービスから5ヵ月で1700名以上が登録し、トップ大学を中心に普及。企業側も、厳選した約30社が利用しているという。
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