ウエスタンデジタルジャパンは8月2日、64層3D NAND採用のSSD製品「WD Blue 3D NAND SSD」「SanDisk Ultra 3D SSD」を発表した。
容量は250GBから2TBまでで、WD Blueは2.5インチSATA/M.2、SanDisk Ultraは2.5インチSATAで展開する。価格はいずれのモデルも250GBが1万2960円前後、500GBが2万1600円前後、1TBが4万1040円前後、2TBが8万2080円前後を想定している。
長寿命化を達成した「世界一速い64層3D NAND技術」
新製品の国内発表に際して、同社クライアントソリューションズ部門プロダクトマーケティング担当ヴァイスプレジデントSven Rathjen(スヴェン・ラスジェン)氏を米国より招き、報道関係者を対象とした説明会を実施した。ラスジェン氏は2D NANDが物理的な限界に近い点を指摘。新たに64層3D NANDを採用することで、面積あたりの集積率を向上させて大容量化を達成したという。
加えてセルの微細化に対する余裕が長寿命化につながるという点も指摘。同社では2TBモデルの耐久性を総書き込み容量500TBとしており、1日10GB書き込みを平均として70年保つと試算している。プロセスルールについては非公開とした。
新製品のスピード面の優位性についてもアピール。シーケンシャルリードの公称値が560MB/s、ライトが530MB/sで、PCmark 8におけるストレージベンチマークのセカンダリースコアが4943を記録したとしている。機能的には従来モデルで採用された「nCache 2.0」を全モデルで引き続き採用しており、ラスジェン氏は「世界一速い64層3D NAND技術」でゲーマーやフォトグラファーなどの要求に応えると胸を張った。
なお、コントローラーのベンダーなどは非公開で「ウエスタンデジタルのチューニングが施されている」という。
WDは自作愛好家向け、SanDiskはイメージング向けのブランディング
WDとSanDiskの両ブランドから発売される新製品だが、中身の仕様はほぼ同じという点について質問が挙がると、ラスジェン氏はユーザー層の違いによるブランディングを説明。同社の調査によると、両ブランドにはどちらか一方の製品しか使わないというほどコアなファンがそれぞれにいるという。そのユーザー層はWDが自作PCやコンピューティングの愛好家、SanDiskがイメージングやPCのアップグレードユース、あるいはモバイルユースと、伝統的に異なることがわかっているとする。
ラスジェン氏は異なるブランドを維持する重要性を強調しつつ、新製品を同一仕様とすることで各ブランドのコアなファンに製品を問うと説明。各ユーザーが求める付加価値の差別化に関しては今後の課題とし、市場の反応を見ながら製品開発やロードマップなどに活かすとした。
また、ラスジェン氏は「SanDiskはハイエンドメモリー」というイメージが定着している日本市場の特性も認識しているとし、「技術・性能共にNo.1ということにこだわりを持って展開をしていく」と日本での戦略を語った。ただし新製品に関する販売チャネルが、日本では両ブランドでそう変わらないため、実際の店頭では両ブランドの製品が並ぶことを想定している。
日本法人としては「SanDiskはイメージング関連へ重点化、自作愛好家向けには“PCストレージは種類にかかわらずWD Blueを”というメッセージを展開していく」という。
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