「スマホがあるといつでも時間は確認できるし、特に時計なんてなくてもいいよね」こう考えた時期もありました。ところがその後、腕時計型のウェアラブル端末が出てきて、これはこれで便利ではあるものの、見た目的にどうなのかという思いもありました。
そこから巡り巡って、そもそも「ファションの一部として身に着けたい」という欲求は、画面にビカビカと各種情報が表示されるスマートウォッチよりも、ふつうの時計型ながらテクノロジーが組み込まれた「wena wrist」のような時計然としたデバイスのほうが高いと考える筆者がいます。
そこにもうひとつ、ズバっと割り切ったアイテムとして登場したのがwena wristと同じく、ソニーのクラウドファンディングで立ち上がった「FES Watch」。その第2弾として登場した「FES Watch U」です。これがもう、最高にイカしたアイテムなので紹介したいと思います。
最初に登場したFES Watchのコンセプトは、ウォッチフェイスもバンドも電子ペーパーでできており、気分によって“柄”を変えられるというものでした。薄く軽く、曲げられる腕時計形状のフレキシブル電子ペーパーを採用し、モノクロ表示ながらフェイス部分だけではなくバンドも部分も柄が変化することで、時計のデザインが丸ごと変わる仕組みです。
これはこれでおもしろかったのですが、せっかくさまざなな表情に変えられるにもかかわらず表示できるのは規定の柄のみだったため、使っているとやはりもっと新しいデザインにしてみたい、という欲求が出てきます。
そこで第2弾のFES Watch Uでは、スマートフォンから新しい柄を取り込めたり、オリジナル柄を作れたりという自由を手に入れた、さらなるおもしろアイテムに進化しました。いつも肌身離さず持っているXperiaはいつもの情報端末として、さらにファッションを管理するツールとして活躍します。
使い方は、まずXperiaに専用アプリ「FES Closet」をインストールします。このアプリでFES Watch Uに入っている柄を自分でコーディネート(管理)したり、新しいオシャレな柄をダウンロードしたり、入れ替えといったことができます。
FES Closetの操作はいたってシンプル。“CLOSET”に自分が日ごろ使いたい柄を収納しておき、“STORE”から新しい柄をダウンロードします。CLOSETではFES Watch Uに転送された状態(IN USE)か、Xperiaにダウンロードしたものの、まだFES Watch Uに転送されていない状態(SEND)を管理したり、必要に応じて削除(DELETE)することができます。
STOREでは新たに柄を探して、気になるものがあれば“TRY”をタップすることで、実際にFES Watch Uに一時的に柄を転送してどんなイメージになるかを確認できる、いわゆる試着ができます。
あくまでも一時的に表示しているだけなので時間経過で消えてしまいますが、気に入ったら“GET FREE”をタップするとXperiaにダウンロードされ、自分のものになります。
新しい柄はBluetooth接続したXperiaからFES Watch Uに転送し、本体には最大24の柄を登録できます。
転送された柄はフェイス横にあるボタンを押すことで順次変えられるため、気分によってポチポチすると時計全体の姿の変化を楽しめます。ちなみに、初代FES Watchは電子ペーパーを全面に主張していましたが、FES Watch Uは電子ペーパー+ステンレスケース+ガラス風防という作りになったので、時計の高級っぽさを醸し出しているのが特徴です。
本体カラーはプレミアムブラックとシルバー、ブラックの3種類。IPX5/IPX7の防水機能も備えているので、水回りでも気を使わずにファッションを楽しめます。
STOREには名だたるクリエイターによるセンスあふれる柄が多く十分楽しめますが、できるなら自分でも作ってみたいところ。その欲求もバッチリ満たしてくれる機能があります。しかもパソコンいらずで! XperiaにインストールしたFES Closetアプリからいつでもカンタンにサクっと作れるのです。
柄の素材となる画像は、Xperiaのカメラで撮影した写真はもちろん、アルバムに取り込んである画像から自由にチョイスすることができます。たとえばヒマワリを見つけて「これをFES Watch Uに取り込みたい!」と思ったらXperiaのカメラでパチリ。
次に撮った写真を選んで拡大や縮小したり回転させて、FES Watch Uのレイアウトにうまく収まるように調整します。次にフェイスに表示される時計のデザインを選び、名前をつけて保存すれば完成。完成したオリジナル柄をBluetooth経由でFES Watch Uに転送すれば作業完了です。これが最高に楽しいのです!
実際にやってみると、フェイスの丸い部分にいちばん目立たせたいデザインをもってきたり、バンド部分にも柄が入るようにうまく調整するには若干の慣れが必要ですが、作業は楽しく相当ハマります。
モノクロ表示のためグレーの階調具合によってはわかりにくい場合もあるので、使用する画像はコントラストのハッキリしたものがよいかもしれません。
ウォッチフェイスの変更だけなら一般的なスマートウォッチでもできますが、フェイスからベルト部分まで含めて時計全体をデザインするというクリエイター気分が味わえるのがFES Watch Uの醍醐味。ふだん使いの時計にふと思いついたデザインアイデアをXperiaから転送していつでも形にできるという、ちょっと未来のファッションが一足先に体感できるおもしろガジェットです。
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