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勝間和代の《倍辛》家電レポート:

勝間和代が「ヘルシオをオーブンレンジとして買ってはいけない」と思う理由

2017年07月28日 07時00分更新

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経済評論家にして3人の娘を育ててきたワーママ勝間和代さんによる家電レポート。忙しい人のための超時短&超効率的な家事をめざす「超ロジカル家事」に使っている家電の良さ・悪さを、実体験にもとづき辛口にまとめます。基本的に家電は2台以上使い比べているため、辛さは倍辛。

 「シャープ ウォーターオーブン ヘルシオ」2台を愛用している勝間和代さん。お気に入りの理由は「超・低酸素調理」のおいしさ。普段の料理にフル活用することで、時短をしながら圧倒的においしい料理が作れるといいます(記事前篇)。一方、ヘルシオの真価は多くの人に理解されていないとも勝間さんは考えています。なぜなのでしょう?


●欠点は「初心者が使いこなせないこと」

 なぜ、ヘルシオの真価がほとんど理解されていないのでしょうか。

 それは、ヘルシオを買った人の多くが正直、

 「水蒸気調理」

 をほとんど使わないためです。

※ヘルシオで調理可能な水蒸気調理には、100℃未満の蒸し料理と、100~300℃の過熱水蒸気料理があります

 私の別の友人も、自宅で結婚披露パーティーをするために出張シェフを呼んだとき、

 「ヘルシオを買ってください。そうしないと、あたたかいものは出せません」

 と頼まれたため、しぶしぶヘルシオを買っていました。しかし、その出張シェフが来てくれた晩以外は、ヘルシオのウォーター系機能は茶碗蒸しを1回作っただけだそうです。

 なぜ水蒸気調理を使わないのか。それは、水蒸気調理をすることに慣れていないからです。しかも、よほどの料理マニアでない限り、

 「酸化に注意をすることがどれだけ重要か」

 ということの意識が薄いと思います。さらに、水蒸気調理をするには、

・水タンクを常に取り替える
・水受け皿を管理する
・庫内をよく拭く

 といった、通常のオーブンレンジではまったく必要のない作業がたくさん加わってしまいます。

 私は、こうした作業をしてもなお美味しいものを食べたいと思う方なので、まったく苦になりませんが、楽をしたいと思う人にとって、慣れるまではとても面倒くさい作業でしょう。

 さらにあるのが、

 「多機能すぎて、使い方が結局わからない」

 ということです。

 たとえば、バルミューダのトースター「BALMUDA The Toaster」が売れていますが、ほぼ類似の機能がヘルシオにはあります。しかし、ヘルシオを持っている多くの人は、機能の存在に気づいていないのです。

 私はヘルシオのメニューのボタンを自分でカスタマイズして並べ変える方法で使っていますが、自分以外に並べ替えをしている人を見たことがありません。これも、多くの人がその機能に気づいていないのです。

 付属のレシピにも、とてもたくさんのオートメニューがありますが、そこでヘルシオがやっている調理工程が、ある意味、

 「ブラックボックス」

 になってしまっていて、自分オリジナルのレシピではどのメニューを使えばいいか、分からなくなってしまうのです。

 たとえば、

・まかせて炒め
・まかせて焼き

 という2つのボタンがあります。どちらもウォーターグリルを使うメニューですが、一体どちらを使えばいいのか、普通の人は迷ってしまうと思います。

 自動調理メニューのプログラミングをしているシャープの人に尋ねたところ、

・まかせて炒めは、一気に火力を上げてさっと炒める方法。野菜炒めなどに向いている
・まかせて焼きは、しっかり焦げ目をつけたいハンバーグなどに向いている

 ということでした。

 なぜ複雑かというと、手動メニューのウォーターグリルでは、こういった細かい操作ができないからです。ウォーターグリルの分数を指定するだけです。ところが自動メニューは、細かく水分量や温度の調整をしているらしいのです。ただそれが、私たちには何をしているかわからないのです。

 そして、さまざまな製品を使うとき、

 「必要以上にブレインパワーを使う機械」

 を私たちは敬遠する傾向があります。それは、多機能すぎたガラケーが、メニューが深くなりすぎて、結局スマホに負けてしまったのとよく似ています。

 つまり、ヘルシオの最大の欠点は、

 「直感的に操作ができないため、使いこなすまでに当人の学習や忍耐力がある程度必要」

 ということなのです。

 調理リテラシーがある人ならこれほど楽しい機械はないのですが、そこまで味にこだわらず、簡単に食事をしたいと思う人にとって、マニュアル操作で使いこなすには難度が高すぎるのです。

勝間さんが低酸素調理で参考にした調理技法の本

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