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ビデオエンジンを一新、サウンド面も強化

独自ビデオエンジン搭載のポスプロ制作ソフト「Nuendo 8」がリリース

2017年07月11日 20時10分更新

ポスプロ向けソフト「Nuendo」が刷新

 ヤマハミュージックジャパンは6月21日、業務用ポストプロダクション制作ソフト「Nuendo」の最新版となる「Nuendo 8」をリリースした。

 映画、テレビ番組、テレビコマーシャル、ゲームといったコンテンツの制作に広く使われているソフトウェア。最新バージョンでは、ゲームオーディオ制作の現場で広く普及するAudiokinetic 「Wwise」(ゲーム開発向けサウンドミドルウェア)との連携を強化したほか、複数の新機能を盛り込んだ。

 7月11日には都内で関連企業やクリエイター、プレスを対象とした製品発表会を開催。声優の小岩井ことりさんらを招き、新機能のデモなどを披露した。

声優の小岩井さんらがデモ

声優の小岩井さんらが実演した

 Nuendo 8のもうひとつの大きな特徴が、ビデオエンジンを従来のアップル製メディアプレーヤー「QuickTime」をベースにしたものから、新規開発のものに変更している点だ。ProResのほか、DV+DVCPro、MPEG+JPEG、H263、H264といった複数のフォーマットに対応。また、今後は有料ライセンスの追加により、DNxHD、DNxHRにも対応する予定だ。

ビデオエンジンを新規開発のものに刷新している

 サウンド面の機能も向上。音楽制作向けDAW「Cubase」の機能を追加するパック「Nuendo Expansion Kit」も標準搭載とし、Cubaseの機能もフルで利用できるようにしているほか、ステレオ、5.1ch、7.1chだけでなくDolby Atomos、22.2chといったサラウンドフォーマットにも対応した。このほか、ひとつのオーディオ素材を元にオーディオクリップのピッチ、カラー、タイミング、インパクトを指定した範囲で自動的にばらつかせ、異なる複数のオーディオ素材を生成する「Sound Randomizer」などの新機能をそなえる。

Nuendo 8 ではオフライン処理機能を大幅に強化。使⽤頻度の高い処理やプラグインをクリップのチェーンとして管理し、自動的にバックグラウンドで適用することで、リアルタイムにサウンドの変化を確認できるほか、CPUの負荷を軽減する。大島 su-keiさんも「作業効率が大幅によくなる」と絶賛していた

 Sound Randomizerについては発表会場でもOM FACTORY代表の大島 su-keiさんによるデモが実施され、小岩井ことりさんも「がや(多人数の声を重ねて表現するざわめきや歓声など)を録音する必要がなくなる。素材を買わなくてもよくなりますね」とコメント。大島 su-keiさんも「ひとりの声で何百人もの声がすぐに作れてしまいますね」と話すなどした。

複数バージョンがリリース

Nuendo 8はオープンプライスで、実売価格は20万円5000円前後

 Nuendo 8はオープンプライスで、実売価格は20万円5000円前後。レギュラーバージョン以外に、教員向けの「Nuendo 8/E」や学生向けの「Nuendo 8/S」、学校設備向け「Nuendo 8/M」など、複数のバージョンを用意する。また、近日中にCubase、Pro Toolsユーザー向けに優待価格で販売する「Nuendo 8 クロスグレード」もリリースされる予定だ。

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