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左右対称の完全ワイヤレスイヤホン「EARIN M-2」に期待

2017年07月08日 10時00分更新

 最近、両耳が独立した「完全ワイヤレスイヤホン」が流行しており、さまざまな価格帯で製品が増えています。

 筆者も仕事場のデスクではアップルの「AirPods」を使っており、バッテリー駆動時間や音質(ただしイコライザーで低音を強調)にはそれなりに満足しているものの、他の製品の動向も気になるところです。

 そうした中、あの「EARIN」シリーズの最新モデルが発表されるということで、イベントを取材してきました。しかも世界に先駆けて、日本で最初に発表するというのです。

EARIN M-2(量産前のプロトタイプで、最終製品ではない)。

NXPの磁気誘導技術を完全ワイヤレスイヤホンに採用

 EARINを開発しているのは、ソニーエリクソン出身の技術者がスウェーデンで創業したEpickalです。2014年には、初代モデルがクラウドファンディングサイトのKickstarterで150万ドルという記録的な出資を集めたことでも話題になりました。

スウェーデンEpickalのセールスディレクター、Sebastien Domingues氏が登壇。

 前モデルの「EARIN M-1」は、日本市場で品不足が続くほどのヒットになり、販売実績は米国に次いで世界2位だったとのこと。これを受けて登場したのが後継モデル「EARIN M-2」です。

 M-2は多数の新機能を搭載しています。まずは、左右に独立したイヤホン同士をつなぐテクノロジーとして採用したのが、NXP Semiconductorsの「MiGLO」です。MiGLOは、補聴器でも利用される近距離磁気誘導(NFMI)を用いた無線技術で、左右のオーディオ同期の改善によりステレオの遅れや音切れが解消され、消費電力も下がっています。

NXPによるMiGLOの説明。補聴器で10年の実績がある磁気誘導技術だという。

 これまで両耳間の通信には、頭を回り込むように2.4GHzの電波を高出力で飛ばしていたところを、磁気誘導を利用することで耳の耳の間の最短距離を通れるようになり、出力は1000分の1以下で済むようになるとのことです。

 うるさい場所での利用に備えて、「ノイズリダクション」機能も搭載。アクティブな「ノイズキャンセリング」ではなく、パッシブ動作の機能ではあるものの、「混雑した居酒屋でも外に出ることなく電話ができる」ほどの効果があるとのこと。

 両耳のイヤホンは同じ形状になり、左右の区別がなくなりました。内蔵したセンサーにより、左と右を自動判別。どちらか片方のイヤホンをスマホとBluetoothでペアリングすれば、もう片方とは自動的にMiGLOでつながる仕組みです。なくした場合に備えて、片方のイヤホンを単体販売する予定です。

イヤホンには左右の区別がなく、どちらの耳に入れても自動判別する。

 気になる価格は2万9800円(税別)と、今回も完全ワイヤレスイヤホンの中では高価格帯です。しかしオーセンティックな北欧デザインも相まって、興味のある人は多いのではないでしょうか。8月の発売に向けて、秋葉原での「ポタフェス2017」などにも出展していくとのことなので、ぜひ試してみたいところです。

価格は前モデルと同じく3万円クラス。シルバーのモデルは1~1.5ヶ月ほど発売が後になるとのこと。

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