以前この連載で、Xperiaをカーナビ化するアイテムとして「Yahoo!カーナビ」専用リモコン「ナビうま ハンドルリモコン」をご紹介しました。
これはこれでナビとしてはとても優秀なアイテムですが、Xperiaをもう少し色々とコントロールしてみたいと考えていたところ、以前クラウドファンディング(Makuake)で支援して手に入れたデンソーのスマホコントローラー「KKP(くるくるピ)」を思い出しました。
「KKP(くるくるピ)」(以下KKPコントローラ)は、いわゆるスマホを遠隔操作できるリモコンのようなもので、車で利用する場合に手元を見なくても操作できるよう、クルクルと回せるホイールが付いているのが特徴です。
リモコンは直径49mm、高さ11.5mmの円形で、電源は裏面のフタを開けてコイン型リチウム電池を入れて動かします。利用状況にもよりますが、Bluetooth low energyを採用することで、約1年間は電池交換は不要とのこと。
重要なポイントとして、このKKPコントローラで操作するアプリは「Spin n'Click」 アプリと連動する必要があります。Xperia全体をコントロールするBluetoothリモコンとは異なり、「Spin n'Click」アプリと対応するアプリのみが操作できるということになります。
最初にこれを理解しておかないと「どうしてGoogleマップが動かないの?」などと悩んでしまいそうになるので注意が必要です。接続はシンプルで、KKPコントローラの電源スイッチをオンにするとLEDが点滅するので、Xperiaに表示されるBluetoothのペアリングリクエストを接続すればOKです。
車載方法としては、付属のホルダーをハンドルに巻きつけて固定します。お約束で外れたりグラグラしないようにガッチリと留めておきます。ハンドルの持ち方によって扱いやすいポジションは自由に選べるので、運転中に邪魔にならないところに付けましょう。
このホルダーには磁石が埋め込まれており、KKPコントローラの背面にある電池ブタが金属になっているので、ペタっとくっつけることができます。磁石でどの向きにもくっつけられるため、ホルダーをどの位置に取り付けたとしても操作性は変わりません。
KKPコントローラは、クルクルとスクロールする「ロータリスイッチ」、真ん中に「エンターボタン」、その下に「バックボタン」と「ホームボタン」、「マルチファンクションボタン」の3つのボタンがあり、周りのリングは上下左右の4方向のボタンになっています。
コントローラの形状と触ったときの感覚から、目で確認せずとも押したいボタンを迷わず押すことができます。ちなみに操作は安全な場所に停車してから行なってください。
実際に使ってみましょう。「Spin n'Click」 アプリを起動すると超がつくほどのシンプルなインターフェースで、利用できるアプリが並び、KKPコントローラのホイールでスクロールさせてエンターボタンで決定といった使い方になります。
まず驚いたのは、スクロールするたびに選ばれたアプリ名を音声で読み上げてくれることです。毎回動作させるたびに音声で読み上げるので、だんだんうっとうしくなってくるのですが、いちいち視認できない車内では親切な機能とも言えます。
「Spin n'Click」アプリには「ミュージック」「連絡先」「ギャラリー」「スケジュール」といったAndroid基本のアプリとはあらかじめ連動しているようで、音楽を聴きたい、写真を見たいといった場合にもすべてKKPコントローラで操作できます。
「連作先」からも履歴や連絡先などから選んで電話をかけることもできれば、「スケジュール」もカレンダーアプリの予定を読み上げてくれます。独特なユーザーインターフェースには慣れる必要がありますが、あくまでもコントローラだけで確実に動かせ、かつ音声で話してくれるというところが便利ポイントです。
指定したアプリしか使えないと言いながらも、わりと利用できるアプリも多く、「ゼンリンいつもNAVIドライブ」「渋滞ナビ」「マルチドライブレコーダ2」「早耳ドライブ」「NaviCon」「ドライブメモ」といった車載関連のアプリが対応しています。KKPコントローラとの相性もよく、ハンドルから手を放さずにちょいちょいっと操作できるというのは便利です。
ナビゲーションアプリだけではなく「mySoundプレーヤー」「Livmo」「ドコデモFM」「新聞を聞くアルキキ」「雨マップ」「Nadia」「KKPニュース」「ViMET」「KKP Movie」「くるくるPDF」「ポッドライブ くるくるピ」「KKPカメラ」などのアプリもあります。ナビゲーション以外に音楽やラジオ、ニュースを聞いたりもできるのはとても快適です。
あくまでも「Spin n'Click」 アプリから一覧を選んで動作するという作法になっていたり、独自アプリの若干チープ感もあるのでモヤっとするところもあるものの、使ってみるとズバっとシンプルに割り切って使えます。ちなみに「Drive mode」アプリにも対応しており、このアプリからであればGoogleマップや「Yahoo!カーナビ」をKKPコントローラで操作できます。
ナビに限定されないということは、いろいろなシーンで使い回せます。Xperiaをリビングのテレビに接続したり「Xperia Touch」で大画面を投射しながら、動画や写真を閲覧するコントローラにもなれば、PDFデータを映し出してのプレゼンから、キッチンでレシピを映しながら料理したりといった操作にも使えます。
汎用のワイヤレスリモコンは自由に動かせることが便利ですが、逆に使い方が定まらなくて操作がままならないというユーザーにとっては、対応している専用アプリで迷わずに操作できるといった道筋ができている「KKP(くるくるピ)」は、とても安心して使えるアイテムです。
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