「8K時代はすぐそこに迫っている」。そう書いてピンとくる読者はどのぐらいいるだろうか? 市場に目を向けると、個人で入手できる8K表示に対応したテレビは世の中にほぼなく、チューナーを内蔵しないモニターでも、シャープが6月末に販売を開始したばかりの「LV-70002」(70V型)など、ごく一部に限られているからだ。受信にはまだ高価なディスプレーに加えて、いまのところは巨大なチューナーも外付けしなければならない。「現実味がない」と感じる人がいてもおかしくはない。
ただしこんな状況も、来年末になれば過去のものとなる。状況は「劇的」に変わっていくだろう。家庭でも導入できる製品が登場し、家庭でも8K/4Kを当たり前のように見られる時代がやってくる。
2018年12月の実用放送に向けて、8K/4Kの試験放送もすでに2016年から始まっている。NHKおよびA-PAB(放送サービス高度化推進協会)が提供するもので、BS17チャンネルを使う。パブリックビューイングの形で、全国のNHK放送局で視聴も可能だ。
LV-70002は業務用をメインに限られたユーザーをターゲットにした製品だ。「受注生産で実売約800万円」という非常に高価な機種でもある。しかし、この分野で先行しているシャープは、10年近く前から8K/4Kのスーパーハイビジョン時代を見据え、着実に技術を培かってきた。
そしてシャープは、LV-70002にも「家庭用テレビ」に求められる「いくつかの条件」をすでに盛り込んでいる。ようやく4K中心に動き始めたテレビ業界の中で、シャープはその先に来る「8K時代への第一歩」を踏み出しているのだ。
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