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可聴域から超音波まで拾える超高感度マイクも実現

IoTデバイスやマイク、各種センサーの感度を飛躍的に高める「スピントロニクスひずみ検知素子」

2017年06月20日 18時00分更新

試作したスピンMEMSマイクロフォン(電子顕微鏡写真)

 東芝は6月19日、スピントロニクス技術を応用した超高感度なひずみ検知素子を開発したと発表した。

 スピントロニクス技術は電子の持つ電荷とスピンの両方を利用するもので、MRAMやHDDヘッドの基礎技術として用いられているほか次世代のメモリーや各種デバイスへの応用が期待されている。今回利用したものはひずみによって磁性体の向きが変化する磁歪効果を利用。外部の圧力を計測するひずみゲージは従来から存在するが、スピントロニクス技術を用いた素子は金属ひずみゲージの2500倍、半導体ひずみゲージの100倍以上という超高感度が得られる。

今回開発したスピンひずみ検知素子と従来型ひずみゲージとの性能比較

 東芝では、スピン型ひずみ検出素子を用いたMEMSマイクロフォンを試作。高精度かつ超高感度なマイクとして、通常の音域に加えて従来のマイクではひずみ量が少ないため十分検出できない超音波域まで幅広い周波数域を拾うことができたという。

 高感度かつ高精度なひずみ検知素子はマイクロフォンのほかにも各種センサー、IoTデバイスなどとして広く活用が可能。東芝では早期の実用化に向けて性能を高めた素子の研究開発を進めるとしている。

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