ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)は6月19日、都内でDisplayPort規格に関するメディア説明会を開催した。DisplayPort 1.4(DP 1.4)規格でUSB Type-Cコネクター経由で高解像度映像出力を行なう“DP Alternate Mode”は現在一部CPUがハードウェアレベルで対応しており、サムスンの「Galaxy S8」シリーズなどスマホでの採用も加速している。
説明会にはVESAコンプライアンス・プログラム・マネージャのジム・チョート氏が登壇。最新規格となるDP 1.4の概要を解説した。DP 1.4のHBR3(ハイビットレート3)は従来のHBR2より総帯域幅が50%拡大し、データレートは25.92Gbps(1レーン当たり8.1Gbps×4)に向上。これにより8K×4K解像度(60Hz)表示に対応する。さらにDP 1.4のプロトコルはVGA、DVI、HDMIに変換可能でVESAメンバーにはロイヤリティーフリーで提供される。
VESAはVESAメンバーが参加できる製品開発者向けのテストイベント“PlugTest”を開催している。2016年に3回開催され、2017年3月には米カリフォルニア州で開催されたほか、6月26日から台湾で開催予定。第3回は米国もしくは台湾で開催予定としている。
両面挿しのUSB Type-C端子経由でデータ転送を行なう「DisplayPort over USB-C」は2014年9月にリリースされ、双方向のレセプタブルピンのハイスピードデータパスをすべて利用することでDP Alternate Modeの高速転送を実現している。
チョート氏はGalaxy S8シリーズなどのスマホが採用する「DisplayPort over USB-C」に関して「ひとつのコネクターで高解像度を転送できる。今まで以上に携帯電話の機能を向上できる“ゲームチェンジャー”だ」とコメント。会場にはGalaxy S8シリーズ用の周辺機器「DeX Station」が展示されており、HDMI変換でディスプレーに4K解像度(30Hz)で外部出力していた。
DPの将来に関してチョート氏は「DisplayPortは市場に存在し続けるし、5年程度は残るだろう。しかしスマホなどのモバイル機器でminiDisplayPortでも大きすぎる。MacBook ProではThunderbolt 3とminiDisplayPortがあったが、USB Type-Cになってきている。ビデオカードなどではある程度存続するかと思うが、徐々にType-Cに一本化していくのではないか」と語った。
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